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佰弐拾陸夜 ページ30

『あのー、炭治郎くんここは…―』

連れてこられた先は屋敷内にある一室の扉の前だった

「さぁ、入ってくれ!」

炭治郎くんから何の事前説明もなくここへ連れてこられたかと思うと
そのまま入れと促されてしまった

きっと何か悪い事でない事は一目で分かる

『で、では…―』

私は少し戸惑いながらも扉をそっと開け中に入る事にした

『お、お邪魔します…』

しーんっ…

しかし、そこには誰もおらず静まりかえっていた

えっと…これは…?

何か待っているのかと思った私は少し身構えたが何もない事に拍子抜けしてしまった

炭治郎くんは何を見せたかったのでしょうか?

戸惑って私は周りを見渡してみる

すると部屋の隅には炭治郎くんがいつも背負っている木箱が置いてあった

あ、この木箱…
もしかして…―

そう思った矢先だった

私の背中にとんっ…と“誰か”がぶつかる感覚がした

『えっ…』

私はそれにびっくりして慌てて振り返る

するとそこには…―

「むーっ!」
『ね、禰豆子ちゃん…?』

私より少し背が高くて少し見上げたが
竹を口にくわえて桃色の着物を着た禰豆子ちゃんが私に近づいて来ていた

『わぁー!元気でしたか?』
「むっ!」

私の問いかけにまるで答えるかの様に声を出す禰豆子ちゃん

良かったです、禰豆子ちゃんも無事ですね!

着物に所々血痕が見えるがどうやらどれも致命傷にはなっていなかったらしい
私はそのことに安堵しため息が出た

「禰豆子もきっとAにお礼が言いたいんだな」

私の後ろから炭治郎くんも部屋へと入ってくるとそう言った

「禰豆子も分かってるんだな、Aが助けてくれた事」

そう言うと炭治郎くんは禰豆子ちゃんの頭を撫でた

「むっ!」

それにまた返事でもする様に声を出す禰豆子ちゃん

「Aに早く禰豆子に会わせたくて」

”禰豆子もAに会いたがっていた様だし”そう言って私に向かって微笑む炭治郎くん

『炭治郎くん…』

その言葉に胸のところがじんわりと温かくなった

こんな私でも感謝してくれるなんて…
そのことがすごく嬉しかった
何もしていないのに

『お力になれて良かったです』

私は禰豆子ちゃんへと視線を合わせると微笑みそう言った

禰豆子ちゃんに届いていると良いです、この気持ち…

「むーっ!」

そして、また、私の言葉に答えるかの様に叫んだ声に更に嬉しくなり心の温かみが増した気がした

妹ができるってこんな感じなのでしょうか…?
とても可愛いです!

佰弐拾漆夜→←佰弐拾伍夜



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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます!確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね!3つも執筆しているなんてすごいですね!私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ! (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね! 更新、頑張ってくださいね? 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を3つ書いてます。←良かったら教えますか? (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます!私も早く絡ませたいです!道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月23日 20時

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