佰弐拾肆夜 ページ28
―竈門炭治郎視点―
俺は目的の部屋へ戻ってくるなり勢いよく扉を開けた
「Aっ！」
『あ、炭治郎くん』
扉を開けてそのままAの名前を呼ぶ
それに気づいた様にAもまた俺の方を振り向いて名前を呼んでくれた
『兄様とはお話しできましたか？』
そのまま部屋に入ってきた俺にさっき出て行った目的を確認する
「あぁ、できたぞ」
『なら良かったです』
俺の返事に安心した様に微笑んでくるA
この顔…この顔だ…
Aのこの顔を見るとすごく安心する
それと同時にドキドキと体が脈打つのがはっきりと分かる反対の感覚も
「Aのおかげで助かった」
『いえ、私は…―』
「静真さんから全部聞いたんだ」
俺の言葉に否定し様とするAの言葉を待たずに話を進める
そして、さっき廊下で静真さんに聞いた事を全部Aへと話した
「ありがとう、A」
そして俺は最後にずっと言いたかったAへの感謝を言葉に示した
『当然じゃないですか』
そんな俺にAは少し目を潤ませ俺を真っ直ぐ見据える
『大切な人が困ってたら助けたいって思うじゃないですか！』
”でも、私非力だったので…兄様に頼むしか…”そう言ってうつむくAに俺はまた
藤の家でのあの夜の様な感情が沸き起こる
すごく愛おしい…
悲しんでる顔もすごく綺麗だ…
俺の心にAに対して不謹慎だがそう言った思いが出てきた
「でも、Aが静真さんに伝えてくれなきゃ俺も禰豆子も今頃生きていなかったかも知れない…だから…―」
俺はそこまで一気に言うと1度言葉を句切り
ゆっくりとAの座るベッドへと近づく
そしてそのままAの横へと座った
俺が座った事により軽くきしむベッドを見てから俺へと目をやるA
「俺と禰豆子を信じ続けてくれてありがとう」
俺のその言葉と同時にAの目から涙が流れた
今の俺にはAが流したその涙さえ綺麗に思える
いや、Aは純粋だ
だから流した涙も綺麗で間違えない
『どういたしましてっ！』
そして流した涙の後はその言葉と共にあの夜の時の様に
とびっきりの綺麗な笑顔を俺に向けてくれた
「っ…！」
その瞬間、俺の中でより一層今まで感じていた感情が強まる
それと同時に鼓動がこれでもかというほど早く脈打ち顔への熱が高まる
どうしようもなく愛しくて大切な存在
それは、禰豆子に抱くものとは違う
あぁ…今それがなんなのかはっきりした
俺は好きなんだ…
俺は、Aに恋してる
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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます！確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (
レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ！ (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね！3つも執筆しているなんてすごいですね！私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ！ (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね！ 更新、頑張ってくださいね？ 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を３つ書いてます。←良かったら教えますか？ (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます！私も早く絡ませたいです！道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エラ | 作成日時：2020年4月23日 20時
