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佰弐拾弐夜 ページ26

―竈門炭治郎視点―

「あ、あの…ありがとうございました!」

俺はここぞとばかりにずっと言いたかった言葉を口にした

「えっ何の事ですか?」

しかし、静真さんは何を言っているのか分からない様子だった

「何の事って…この間の禰豆子の件…―」
「あぁ、あの事!」

俺が途中まで説明すると思い出した様子の静真さん

「あの時静真さんが庇ってくれて俺、嬉しかったんです!それに助かりました!」
「いや、僕何もしてないし…」

俺の言葉に手と首を横に振り否定する静真さんに俺は最初謙遜しているのだと思った

「いや、だってわざわざ俺の過去の仕事の事まで!それに鱗滝さんの手紙の時だって…―」

俺がそこまで説明すると静真さんは少し考え込むそぶりを見せおもむろに口を開いた

「僕はただ、Aが言った事を信じたまでだよ」

”だから本当に僕が君を最初から信じたわけじゃないよ”と淡々と衝撃的な言葉を口にした

「えっ…」

俺はその言葉に言葉が止まってしまった

どういう事だ?
静真さんが自ら行動した事じゃない?
Aが言った事?

訳が分からず考えている俺に静真さんが更に詳細に説明してくれた

「さっき言ったとおりAが鎹烏で助けを求めてきたんですよ」

どうやら静真さんの説明によると
那田蜘蛛山に来ていたAが俺と禰豆子の事を聞き
”自分自身ではどうする事もできないから”と静真さんに助けを求めたらしい

「Aが”私が見た限りでは炭治郎くんにも禰豆子ちゃんにも嘘の兆候は見られない、だからそれを証明するのに協力して欲しい”って」

そこまで言うと一度区切り”それと…―”と口にする

「”2人は私にとって大切な存在だから”だってさ」

そう言うと俺の方をじっと見つめてきた静真さんに俺は心の中でどうしようもない喜びにさいなまれていた

「だから僕はAの”目”を信じて君たちの事を調べた…そしてAの言っていた事が正しかったから信じた、ただそれだけの事だよ」

Aが俺のために…
俺と禰豆子のために…!
た、大切な存在っ!!

静真さんから聞いたAの言葉に全身が粟立ち
言い知れない高揚感と全身の熱が顔に集まるのを感じた
だから、静真さんには悪いが半分受け流しながら聞いていた

「それっ!認めた訳じゃないからね!」
「えっ!」

俺をずっと見ていた静真さんが急に俺を指さし叫んだ
その叫び声に意識を戻し俺は驚いた

佰弐拾参夜→←佰弐拾壱夜



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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます!確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね!3つも執筆しているなんてすごいですね!私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ! (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね! 更新、頑張ってくださいね? 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を3つ書いてます。←良かったら教えますか? (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます!私も早く絡ませたいです!道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月23日 20時

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