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佰拾玖夜 ページ23

―竈門炭治郎視点―

「僕?」

俺の問いかけに反応を示し振り返り自分の方へと指を指す静真さん

「何か用ですか?」
「あっ…いやっ…あのぉー…」

呼び止めたは良い物の半分勢いだった俺はその先の言葉が出てこなかった

「なるほど…君もか…」
「えっ?」

そんな俺をまじまじと見つめると何か1人で納得したらしくぽつりと呟く
しかし、何のことか分からない俺は聞き返す事しかできなかった

「まぁ、良いか…竈門炭治郎くんだっけ?」
「は、はいっ!」

何か一人で解決したかと思うと俺の名前が呼ばれた
それに反応すると静真さんは笑顔で”一緒においで”とだけ言ってきた

「良いよね?しのぶちゃん」

そのまま俺を見たまま確認する静真さん

何の話をしているんだ…?一体…

「少しだけですよー」

それに理解を示すとそれを合図に“じゃあ、行こうか”とそのまま扉へと歩いて行った

どこへ向かう気なんだろう…

「来ないの?」

その声に俺は慌てて立ち上がり後ろをついて行く事にした

「あ、あのっ…どこへ?」

廊下を歩きながら俺は背中を向けて先を行く静真さんへと声をかける

「どこって…うーん…」

それに少し考えるそぶりをすると
少しいたずらっぽい笑みを浮かべ

「僕の1番大切な人で、君が今1番会いたがってる人の元かな」

と返してきた

それって…―!

「あ、ここ、ここ!」

ある病室の前で止まったかと思うと”入るよー”とだけ言い、相手の返答を待たずして扉を開けた

大丈夫なのだろうか…返答を待たなくて…

俺が心配しているのをよそに扉を開けずかずかと病室へ入り込んだかと思うと”今日もお疲れ様”と静真さんの声が聞こえてきた

その声はこの間聞いた時、先ほどまで聞いていた時よりも何倍も穏やかで優しい声だった

『あっ、来てくださったのですね!』
「はっ…!!」

突如聞こえてきた声に俺は固まった

その声には聞き覚えがあった

「入っておいでよ」
『誰か来ているんですか?』

その声は…

「見れば分かるよ」

そう言った静真さんの後ろ姿の脇から顔を見せた姿

『あっ…』

そして驚いて大きな目を丸くする姿

『炭治郎…くん…』
「…A…っ!」

それは俺が会いたくて仕方なかった人物だった

佰弐拾夜→←佰拾捌夜



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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます!確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね!3つも執筆しているなんてすごいですね!私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ! (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね! 更新、頑張ってくださいね? 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を3つ書いてます。←良かったら教えますか? (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます!私も早く絡ませたいです!道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月23日 20時

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