夜を操る者たち 参 【鬼滅の刃】

佰拾捌夜 ページ22

―竈門炭治郎視点―

あれから善逸は変わらず”薬がまずい”となかなか飲もうとせず怒られている

今日も変わらず隣で…

伊之助も伊之助で全然活気がない

ずっと寝込んでいる

見るからに落ち込んでるなー…

「静にしろ！」

Aの事を頭の片隅で考えながらも変わらないこの情景に
俺も変わらず善逸を宥める

「元気そうだな！」

そんな時だった出入り口の方で声がしたかと思い顔を向けると

「あっ…！村田さん！」

那田蜘蛛山以来の元気そうな村田さんの姿だった

それから村田さんと話しながら善逸への紹介も交える

村田さん曰くどうやらあの一件で柱合会議に呼ばれ隊士の質について質問攻めに遭ったらしい

それを思い出す村田さんは恐怖に怯えた顔をするが

そんな村田さんの後ろからしのび来る影に俺と善逸は更に恐怖した

善逸はちょっと顔赤らめていたが…

「「こんにちは」」

村田さんの後ろに迫った影はそのまま村田さんへと声をかける

「柱！胡蝶様！清華様！」

そこにはここ、蝶屋敷の主であり柱の1人である蟲柱の胡蝶しのぶさんと
あの時以来のこっちも柱の1人である夜柱の”静真”と呼ばれていた人が立っていた

うん？今村田さん”清華様”って呼んでた様な…

「「こんにちは」」
「あ、どうも！さようならー！」

俺がそんな事を考えている間に柱の2人はもう一度村田さんに挨拶を向ける
向けられた村田さんは挨拶するなり急いで扉を閉めて帰って行ってしまった

「あらあら、さようならー」
「元気になって何よりですね」

そんな村田さんを笑顔で見送る2人

「どうですか？体の方は」

そして、俺の方へと向き直ると体調を確認してきた

「かなり良くなってきてます」

俺がそれに返事を返すとそのまま俺を見据えて

「ではそろそろ、機能回復訓練に入りましょうか！」

と言い放った

「機能回復訓練？」
「はいっ！」

何だろうそれは…？
疑問に思った俺は言葉を反復したがよく分からなかった
それに返事だけしか返されなかったし…

「じゃあ、僕はそろそろ様子を見てきますね」

その一連の流れを聞いていたかと思うと夜柱…もとい静真さんは踵を返し扉の方へと向かう

「そうですね、でも今日も検査で疲れていると思うのであまり無理をさせてはいけませんよ？」
「分かってるよ」

それを見送る蟲柱と軽く手を振り合図を送る静真さん

「誰？あの男前」
「あ、あのっ…！」

善逸が不思議そうに問いかけてきたが
俺はそれを無視して静真さんを呼び止めた

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