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捌拾伍夜 ページ38

―清華静真視点―

僕はAを継子にした後有無を言わさず訓練へと入った

Aには悪いけど時間も迫ってきている
悠長に丁寧に教えている時間なんてないのだ

おまけに僕はこの後仕事が入っている
それまでの限られた時間でAにたたき込めることを全てたたき込まなければいけない

日が暮れる頃まで訓練は続いた
元々清華家の人間でもある故に彼女は”特別”な存在だからか覚えが早かった

今まで僕が助言してきたことを据えて体に取り入れており訓練は比較的速く進んだ

「そろそろ僕は行かなきゃ」
『えっ、任務ですか?』
「そうそう」

僕の呟きに反応してくるAに返答を返した

その瞬間Aから”自分の訓練に付き合わせてしまった”という罪悪感の感情が漏れ出ていた

「当然のことだから」

僕はそれだけ返すと”じゃあ、僕は行くからAはゆっくり休息をとっておいて”と言って屋敷を出て行った

そして向かった先は御館様の元

部屋の扉を開けるとそこには縁側に座っている御館様と畳の上に正座している2組の人影が見えた
”お待たせしました”と言いながら僕は御館様とその2組の人影に声をかけた

「静真、今日は何回も足を運んで貰って悪いね」
「いえいえ、当然のことですので」

相変わらず穏やかの声色の御館様に返事を返すと僕は2人と同じように畳に正座した

「もう来てたんだね」

僕はそう言うと一度区切り、横を向いた

「義勇くんとしのぶちゃん」

そこには僕と同じ柱の2人の姿があった

「静真も仕事がつかえているから手間はとらせないよ」

御館様はそう言うと烏から聞いた情報を僕たちに説明しだした

どうやら那田蜘蛛山と言う所で鬼の出没情報が入り隊士たちを10人ほど差し向けたらしい
しかし、その隊士たちのほとんどが鬼にやられてしまったと言う
そして、その状況から察するに十二鬼月が潜んでいるのではないかとのことだった
もし十二鬼月が潜んでいるのであれば普通の隊士では歯が立たない
だから柱を向かわせようと思っていると

「そして、そこにAも同行させると言うことですね」

僕はあらかたの予想がついた結論を口にした

「察しが良いね静真は」

”どうだろう?”と僕に優しく問いかけてくる

「無論、無理強いはしないよ…静真が決めて良い」

最後は僕に委ねるなんて御館様も人が悪いな…

「僕が今日見た限り、Aの実力は申し分ないかと」

僕がそう答えると御館様は”決まりだね”と言うと一呼吸置いた

捌拾陸夜→←捌拾肆夜



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エラ(プロフ) - 時望さん» お返事遅くなって大変申し訳ありません!そう言っていただけると凄く励みになります!お互い体調に気を付けて行きましょう! (2020年5月7日 23時) (レス) id: 245f908d63 (このIDを非表示/違反報告)
時望 - すごく面白いです!お体に気をつけて過ごしてください!応援してます (2020年4月29日 14時) (レス) id: d5d3062330 (このIDを非表示/違反報告)
むいむい - この作品、とっても面白いです(*´-`)ウィルスに気を付けて、更新頑張ってください(*’ー’*)ノ応援してます。 (2020年4月24日 18時) (レス) id: f62f0a3a7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月14日 22時

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