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漆拾玖夜 ページ32

あれから私は再び隊服に袖を通し髪も結った
そしてあの髪飾りも忘れることなく身に付ける

準備を整えた私は3人と共にあの日ここを訪れて以来の家紋がある門の前へと移動した

「では、行きます」
『お世話になりました』

私と炭治郎くんはそう言って藤の家のおばあさんへと頭を下げた

「では、切り火を」
「『ありがとうございます』」

おばあさんも頭を下げてくれると手に持った火打ち石で打ち合わせてくれた

「何すんだババァー!」

それを見た伊之助くんが急に何を勘違いしたのか怒鳴りだしてしまったが…

炭治郎くんと善逸くん2人係で静止し何とか落ち着くことのできた伊之助くん

「どの様な時でも、誇り高く生きてくださいませ…ご武運を」

おばあさんのその言葉に私と炭治郎くん、善逸くんは頭を下げた

『では、私はこっちなので』

一通り挨拶が終わると私は3人とは別の方向を指さした

「そうだったな、Aも元気で」
「やだよー!Aちゃんと離れたくないよ―!」

私の言葉に炭治郎くんは別れの挨拶を
善逸くんは涙を流しながら嫌がっていた

『また、皆さんとはお会いできると信じています』

”だから泣かないでください、善逸くん”と付け足すと

「俺もAちゃんとはまた出会う気がするよー!また出会えたら運命だね!」

と涙から一転、笑顔で返してくれた

「A」
『はい?』

ふいに炭治郎くんに名前を呼ばれ視線を炭治郎くんへと移す

「傷痕…残ったんだな…」
『炭治郎くん…』

炭治郎くんは私の手を取ると手のひらを見つめた

そこにはあの時の瘢痕がある
そして、それを辛そうな目で見つめる炭治郎くん

『次からは…善処しますね?』

私はそんな炭治郎くんを見て苦笑いを浮かべて返した

きっと炭治郎くんは自分を責めていますよね…

炭治郎くんからは後悔と自責の念が出ていた

「A…」

私の返答に炭治郎くんは私を一度見つめると口元を緩め
”あぁ、そうしてくれ”とだけ返してきたのだった

そして私たちは別れを告げ別々の道中を歩み始めた

捌拾夜→←漆拾捌夜



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エラ(プロフ) - 時望さん» お返事遅くなって大変申し訳ありません!そう言っていただけると凄く励みになります!お互い体調に気を付けて行きましょう! (2020年5月7日 23時) (レス) id: 245f908d63 (このIDを非表示/違反報告)
時望 - すごく面白いです!お体に気をつけて過ごしてください!応援してます (2020年4月29日 14時) (レス) id: d5d3062330 (このIDを非表示/違反報告)
むいむい - この作品、とっても面白いです(*´-`)ウィルスに気を付けて、更新頑張ってください(*’ー’*)ノ応援してます。 (2020年4月24日 18時) (レス) id: f62f0a3a7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月14日 22時

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