148話 ページ24
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監督生にはこの嘘が通じるという絶対的な自信があった。
グリムは私の下僕のような存在である。
学園長から支給されている生活費は全て私が握っているし、彼もそれを十分に理解しているはずだ。
そしてなにより、
_____私は"女の子"だから。
前の世界の夢小説でも沢山読んだけど、この世界は基本的に女性に優しい。
女尊男卑までとはいかなくとも、その体に生命を宿し育む存在は、古来より尊ばれる風習にあったはずである。
だからこそ、女性である自分がその風習を利用してしまえばなんとでもできる筈。
まあそもそもの話、"人間"である私と"魔獣"のグリム、どちらを信用するのかと聞かれれば一目瞭然だろう。
監督生は泣き真似をする為に顔を覆った手の中で、うっそりとほくそ笑んだ。
女性であることを利用した監督生と、女性であるデメリットを蹴り飛ばし進み続けたA。
命懸けで護った夜に怯えぬ平和な世界の先の人間が、護る為に振るい続けた刀を己に向けた。
何ともまあ、皮肉で滑稽な話である。
意識こそあったならば大笑いしてしまう程のものであろう。
(そんな馬鹿な話があるものか)
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神楽 - え、ちょ、ん?神であらせられますか?一気見してもうほんとに好きな作品なのでコメント?させて頂きました!あのぉ本当にこの作品を書いてくださりありがとうございます私はもうこれがあるから生きているといっても過言ではありませんつまりはこれからも頑張って下さい (4月22日 23時) (レス) @page50 id: c039794659 (このIDを非表示/違反報告)
英伶奈(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します!こちらの作品凄く大好きで愛読させて頂いております!番外編も是非見てみたいと思っています。宜しければパスワードを教えて頂きたいです! (3月16日 19時) (レス) @page50 id: 282fb023ab (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 死ぬほど泣きました。本当に素敵なお話でした。続き出来ましたらぜひ読ませていただきたいです。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (6月6日 0時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - す…すごすぎる…!!まさか「ユウ」に繋がるだなんて…!ここまで一気見でした…。生まれてきてくれてありがとうございますホントに…。もっと早く見つけたかった…!!!! (2023年4月7日 16時) (レス) @page40 id: c70cf10f64 (このIDを非表示/違反報告)
白郡(プロフ) - 最高でした!!日付跨いで一気見してしまった…神ですか?神なんですね?存在してくださってありがとうございます。何故この作品にもっと早く出会えなかったのか、、ちくせう… (2023年3月30日 0時) (レス) @page49 id: 91ba7dddf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいしいくじら | 作成日時:2021年4月14日 4時