143話 ページ19
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深夜、彼女の眠る保健室にて。
ハタハタと風に揺られたカーテンが靡く。
月明かり差し込む静かな室内に、ひとつの黒い影が現れた。
ベッドに沈み瞳を閉じるAの前に立ち、その顔を静かに見下ろすのは...
監督生「...この人が、A。」
_____オンボロ寮所属、監督生である。
監督生「...っずるい、綺麗な顔...!」
監督生は顔を歪めて心底妬ましいという声を出す。
監督生「こんなの、私に勝ち目なんてないじゃん...!この人がいるから私、愛されなかったんだ!」
だって、私だってそこそこ可愛い顔で、愛嬌もあって元の世界では皆に好かれていた。
顔がまあまあ良くて、愛嬌があって、健気で優しい性格であれば大体の人間は好かれる。
それなのに
どうして?今までは簡単に上手くいってたのに。
ちゃんと原作知識もあるし、なにより私は
上手くやれていたつもりだった。皆に優しく接して、いつも笑顔で愛嬌たっぷりで。こんな私を好きにならない筈がないのに。
それなのに私は彼らに愛されない。
...それはつまり、
監督生「
そう、そうだ。絶対にそうだ。
私が愛されないのは私に問題があるんじゃない...この子の存在が問題なのだ。
監督生「...原作にこんなキャラクター居なかったし、別にいいよね?」
居なくなっても困らないでしょ。
_____カチチチチチ...
月明かりの光に反射して、監督生がポケットの中から出した小型のカッターナイフがキラリと光る。
監督生「...こんな小さな刃じゃ無理かも...」
監督生は困った顔をしてカッターを見つめる。
すると、そんな彼女の視界に入るAの日輪刀。
監督生「...」
監督生はカッターナイフを静かに仕舞い、部屋の片隅に立てかけられている日輪刀に近づく。
チリンという涼し気な音を立てて鞘から抜かれる日輪刀。
監督生「...あ、丁度いい感じじゃん。」
____これ使お。
監督生「...」
監督生は、刃を立て静かに日輪刀を彼女目掛けて振り下ろした。
(異分子と監督生)
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神楽 - え、ちょ、ん?神であらせられますか?一気見してもうほんとに好きな作品なのでコメント?させて頂きました!あのぉ本当にこの作品を書いてくださりありがとうございます私はもうこれがあるから生きているといっても過言ではありませんつまりはこれからも頑張って下さい (4月22日 23時) (レス) @page50 id: c039794659 (このIDを非表示/違反報告)
英伶奈(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します!こちらの作品凄く大好きで愛読させて頂いております!番外編も是非見てみたいと思っています。宜しければパスワードを教えて頂きたいです! (3月16日 19時) (レス) @page50 id: 282fb023ab (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 死ぬほど泣きました。本当に素敵なお話でした。続き出来ましたらぜひ読ませていただきたいです。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (6月6日 0時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - す…すごすぎる…!!まさか「ユウ」に繋がるだなんて…!ここまで一気見でした…。生まれてきてくれてありがとうございますホントに…。もっと早く見つけたかった…!!!! (2023年4月7日 16時) (レス) @page40 id: c70cf10f64 (このIDを非表示/違反報告)
白郡(プロフ) - 最高でした!!日付跨いで一気見してしまった…神ですか?神なんですね?存在してくださってありがとうございます。何故この作品にもっと早く出会えなかったのか、、ちくせう… (2023年3月30日 0時) (レス) @page49 id: 91ba7dddf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいしいくじら | 作成日時:2021年4月14日 4時