It takes you away 【前編】

43 柴崎岳 ページ43

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気を使ってくれたのか
試合で疲れてたのか 大津くんは寝た

Aさんがお風呂に入ってる間
スマホをいじってたら

Twitterに俺の名前

さっき あの店の前でAさんといる所を
誰かに写メられたみたい

うまく大津くんは写ってなくて
俺とAさんが2人きりに見える



『やっぱ結構叩かれてるねー私』

岳「わ､びっくりした 足音なしで近付かないで下さい」

『何それ 私は忍者か笑』



Twitter開いたスマホを お風呂から出た
Aさんが後ろから覗いてた

こうゆうのあんまり見せたくないんだけど



岳「気にしなくていいんで」

『……そうよね､私とがっくんじゃ似合わないよねー』



大津くんにもそれ言われた
似合わないから何？
似合う似合わないで好きになるわけじゃないし



『がっくんに似合うなら 黒髪､清楚な服装､ナチュラルメイク 年下のかわい子 だよね笑』

岳「年下好きじゃないし」



私はアンタとは付き合わない

そう遠回しに言ってる？
そんな似合わないなんて理由じゃ
俺を振れないからね



岳「俺は見た目とか 年とか関係ないと思いますけど」

『ふふっ､やっぱがっくんかわいすぎ』

岳「またっ」

『だって見てよコレ』



Twitterに流れてくるTLに 俺の画像
よりによって着ぐるみきてるやつ……



『こんなのかわいい以外ないでしょ笑』

岳「嬉しくないですから かわいいなんて言われても」

『じゃあなんて言われたいの？ かっこいい？』

岳「わざとらしいのは嫌です」

『かっこいいもダメか笑 じゃあ………好き』

岳「え」



それ､一番嬉しい



『それもダメ？じゃあ大好き？愛してる？』

岳「もういいって､そんなこと軽々しく言わないで下さい」



本心なら 嬉しくてたまんないけど
これは違うから……

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