It takes you away 【前編】

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鹿島と柏の試合
勝敗つかなくてドローで終わった

“お疲れ様”

これホントに女の子？って思うほど
愛想ないLINE

あれからAさんは 時々LINEをくれる

俺はそれに “ありがとう”
なんて 愛想ない返事をするだけ
自分からは連絡したりしない



祐樹「岳､飯行かね？」



試合はホームだった
茨城と大津くんの千葉
間をとってやっぱり東京まで出て
落ち着いた雰囲気の居酒屋に入った

俺達も有名人扱いされて 個室に通された



祐樹「今日はもうAんち泊まろうぜ」

岳「は？そんないきなり」

祐樹「だって 飲むっしょ？」

岳「車どうすんですか」



ここまで俺の車できた
大津くんはチームの移動バスだから



祐樹「心配すんな」

岳「はぁ」



大津くんは 自分のスマホのLINEを開き
大津くんとAの個人チャットの画面を
ドヤ顔で見せてきた

“岳と東京で飲んでる”

“合コン？”

“ちげーよ､2人だけ｡車できたから泊めて？タクシーで迎えに来て”

“は？”

“帰りは岳の車で俺らお持ち帰りして“

“じゃあ 帰る前にまた連絡して”

“はーい”



祐樹「てなわけだから 安心して飲んで笑」



全く いつの間に…

Aさんに会いたかったからいいけど
大津くんも泊まんのかよ



祐樹「あ､お前今俺のこと邪魔って思っただろ？笑」

岳「そんなことない………と思います笑」

祐樹「あのさ､お前アイツに何言ったの？」

岳「何って？」

祐樹「ヤットさんと別れたって聞いたよ､しかも仕事したいって､ヤットさんのお金使いたくない､あの部屋も出たいって」



仕事 そっか今までヤットさんにお金もらってたんだな
でもあの人のことだから
仕事ってきっと 夜の仕事だよね
キャバクラとかそうゆう……

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