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アイドルであるユキはよっぽど忙しいらしい

もちろんあたしだって十分に忙しいんだけど

ベクトルの方向が違うんだろう

演技だけこなすあたしと

インタビュー、テレビ番組、作曲、ダンス
エトセトラエトセトラ
あげだしたらキリがないほど大幅な仕事をこなす彼では忙しさが違う

はじめの読み合せ以来、なかなかスケジュールが合わなくて

まだ会ったのは数回ほどだ。

それでも、私の意志とは関係なしに

彼と私の距離は近くなる

仕方がない、役者の仲は舞台に影響する

嫌でも彼を、好きにならなくては




2回目にあったのは立ち稽古の時

シーンごとに演出を付けなくてはならないから

役者は欠かせない

彼もそのことは理解しているようで

読み合せは1回しか来れなかったくせに

立ち稽古には何度か顔を出していた

そのたびに磨きのかかる彼の演技に

あたしを含め、役者達は全員

息を飲んだ

あたしは絶対、この人の演技に負けたくない

この人に飲まれたくない。

久しぶりだ、こんなの

初めて、共演者が、こわい。


*********
彼がオフを返上して、あたしの家に来た

誰。あたしの個人情報漏らしたの。

なんで、家知ってんのよ

スキャンダルはお断りって言ったでしょ。

とはいえ演技の練習をしなくちゃいけないわけだから

玄関の前で追い払うわけにはいかず

家に入れた。


「どう?僕は舞台に映えるでしょう」

1度、通したあとだった

偉そうにあたしに訪ねてくるその顔を

ぶん殴りたくなったけど

仮にもアイドル。そんなことは出来ない。

「実力主義の世界じゃ、ルックスなんて、武器にはならないの」

「へぇ、じゃあ僕の実力は君に劣るの?」

急に、距離を詰めてきた彼から逃れようとして

後退したのがまずかった

トンッと背中に当たったのは

多分、壁だ

「ねぇ、どうなの。」

認める、彼のルックスはきっと世界一だ

横に手をつかれて、

数センチ先に彼の唇がある

少し動けば当たってしまう距離だ

あたしを見つめる瞳には

怪しげな光が宿っていて

困った、あたし、彼に落ちそうだ

アイドルなんて、嫌いなはずなのに

彼の演技からは目を離せないし

今、この状況に、太刀打ち出来ない

「言って。

それともこのまま、食べてあげようか」

クッと顎を持ち上げられてしまえば言い訳なんかできなくて

1度、息を飲んでから告げた

「あたしの、次くらいには、上手」

とたんに彼は、満足そうに笑った

これ以上何を求めているの

いい加減、離れて

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- 、さん» パワー (2018年3月21日 13時) (レス) id: 0ea487d775 (このIDを非表示/違反報告)
- 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月2日 15時) (レス) id: 64f29cf6c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらひめ | 作成日時:2018年1月30日 22時

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