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一応、なんて。そんな言い方ないんじゃないの。
少なくとも、稽古が終わって
千秋楽公演まで、私たちはパートナーだ。
それは、私や彼の意志とは関係なく。
だって、舞台を本気でやろうと思ったら
それくらい、役になりきらなくちゃ。
だから、彼を好きになろうとしたんだけど
どうしよう、早速無理かも
大体、天使に恋するって何。
あー…今までで一番、面倒な仕事な気がする
どうしよう、やめたい…
「ねぇ」
あたしが考え込んでるあいだに
彼は支度を終えたらしい
「なんですか。」
「早くしてくれない？
読み合せくらいしておきたいんだけど」
彼はひどく冷めきった目をしていた
軽蔑なのか、それとも別のなにかか。
あたしは、この目を知っている
期待を裏切られた時の目だ
…彼は、何かあたしに期待していたのだろうか
なにを。
考えても、無駄か。
「すみません。もう準備出来てます。
始めましょう。」
********
彼の演技は、なかなか素敵だった
セリフ一言ずつに込められた思いは
天使のそれとほとんど変わらない
だけど、足りない
何が足りないって、愛だ
あたしに対する、愛
別に彼に愛してほしいわけじゃないし
スキャンダルなんてお断りだ。
だけど、彼が天使である以上
彼はあたしを愛さなくちゃいけない
あたしも、彼を愛さなくちゃいけない
役作りってそういうものだ
彼の声色には
あたしに対する失望と軽蔑が残ったままだった
ほかの出演者は気づいていなかったみたいだけど
あたしには、わかる。
だって、きっとあたしも同じだ
少なからず、期待していた
彼の本気の演技を目の前で見ることが出来るかもしれないことに
ひどく、ドキドキしていた
アイドルのユキじゃない
もっと、別の彼を見たいと
ほんの少しだけ思ってしまっていた
だからいつまでも、アイドルの仮面を剥がさず
女の子達と笑っている彼に
心底嫌気がさしたんだ。
この苛立ちに、個人的な思いなんて、無い。
あたしは、彼の本気の演技が
みたくて、みたくて、しようがない
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。 - 、さん» パワー (2018年3月21日 13時) (
レス) id: 0ea487d775 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月2日 15時) (レス) id: 64f29cf6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらひめ | 作成日時：2018年1月30日 22時
