加茂さん家の天与呪縛ちゃん その3

ifストーリー「主人公にもし術式があったら」 ページ22

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それは、悠仁と野薔薇の実地試験が終わった日の夕飯の会話から始まる





「なぁ、俺気になってんだけど

Aってどんな術式持ってんの?」





確かに、と悠仁の質問に肯定するのは野薔薇で

勿論私の術式を知っている恵と五条はあー、と声を漏らす






「使いようによってはえげつないよね」


「術式ありの手合わせだったら確実に当たりたくない」


「「…」」






『ちょ、何、2人共何その顔』





物凄く顔を歪めた悠仁と野薔薇に、私は思わず真顔になってしまう


五条も恵も揃って酷いな

私は結構この術式好きだったりするんだけど…







「五条先生がえげつないって言うくらいの術式って何だよ…」


「きっとサイコパスな術式なのよ

Aって時々そういうところありそうだし」


『ちょっと待て野薔薇

私そういう風に思われてたの???』







コイツら、全員揃いも揃って失礼極まりないな

ハァ、と溜息を吐いて私は術式を簡単に説明することに







『私の術式は【虚像操術】

まぁ簡単に言えば簡易領域だね』


「「虚像…?」」






何がそんなに恐ろしいのか、と今度は変な目で五条と恵に視線を送る悠仁と野薔薇

それに2人が術式そのものはえげつなくないと代弁する






『私の術式は、一定の範囲内に簡易領域を展開して

その場所一帯を1つの虚像空間にするんだ


うーん、鏡花水月っていう四字熟語は知ってるよね?

そんな感じ

まぁ簡潔に言っちゃえば一種の幻術だよ』


「つまりはそこに在るのに無いかの様な空間を作り出すって事?」


『そそ』


「これのどこがえげつないのよ

むしろ少し応用が効きそうな術式じゃない」






野薔薇の言葉に、五条はハハ、と渇いた笑みをこぼし

恵はこれでもかってくらいに眉間に皺を寄せる






「これは実際にやって貰わないとわかんないかなぁ」


「…俺は嫌ですよ」


「実体験するんだったら未経験者じゃなきゃ面白くないでしょ

って事で、明日急遽術式ありの特訓してみよっか」






本当に急だな、という表情を浮かべる恵と野薔薇に対して

悠仁はおぉ!!と目をキラキラさせながら大はしゃぎ

…そんなな事をしてまで知って欲しいとは言ってないんだが???



何て言っても五条が止まらないことを知っている私は、ハァとまた溜息を吐いて、その提案に頷くしかできなかった

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