3．この世界で最初に見つけてくれたのは貴方でした【ONE PIECE】

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ヴェルゴが今どこにいるかは定かではないけど、ローの行き先を知ったら絶対にそこへ行くと分かっている

だから私は始めから、ヴェルゴを探すのではなくローが向かっているであろう部屋へと向かっていた


そろそろ目的の場所へと辿り着こうとしたその時

焦った声が放送として響き渡った





〈───こちらD棟より第3研究所全棟へ緊急連絡!!


只今トラファルガー・ローが…

「SAD」製造室へ侵入しました!!〉





あぁ、ローはとうとうそこへ着いたのか

そう思うと口角が上がってしまう


ここから、ここから引鉄を引いていくんだ


そして、同盟の真の目的を達成するため

歯車を、壊す





『さて、ローが辿り着いたんならヴェルゴも急いで製造室へ向かう筈

私も悠長にしてられないな…



つっても、もう着いちゃったけど』




既に開けられていた巨大な扉の向こう側には、鬼哭を肩に担いで佇むローの後姿が見える

ゆっくりと振り向くローの隣に、私は一歩一歩踏み締めながら近づく


ローの隣に立ち、その横顔を見上げてみれば

今まで以上に不敵な笑みを浮かべているもんだから、思わず口角が上がった





「案外早く来れたんだな」


『3人共、部下が報告しに着た途端部屋から出て行くんだもん

お陰で簡単にあの部屋から出れた

鎖も海楼石じゃなかったしね』


「変えといて正解だったろ?」


『そりゃそうだけど…

アレを全部私に持たせるってのは悪意感じたね』


「能力者は誰だって触れたくないだろうが」


『私もその能力者なんだけどなー…』





呑気にいつも通りの会話を繰り広げていると、1つの気配が私達の背後に現れた





「飼い犬に噛まれるとはこのことだな、ロー」





振り向く必要もないが、一応振り向く

言わずもがな、そこにいたのはヴェルゴだった

こめかみに青筋を浮かべている辺り、かなりご立腹らしい




「ガキの悪戯にしてはやり過ぎだ

お前は少し賢すぎたな

そういう奴ほど、早死にするものだが」


「『…』」




私達は口を挟まず、ただジッとヴェルゴを見つめる

警戒をバチバチにしながら、だが




「心臓を握り潰して殺すのは簡単だが、そんな事はしない

じっくり、たっぷりいたぶって、その生意気な顔に思い出させてやる


恐怖ってヤツをな」





武装色で硬化させた竹棒を手に





「あの時の様に!!!」




ヴェルゴが瞬間的にローの目の前へと距離を詰めた

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