3．この世界で最初に見つけてくれたのは貴方でした【ONE PIECE】

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『何で私、檻の中に入れられてないの…?』




疑問をそのまま口にすると、その答えは案外早く返ってきた





「何故?それは簡単な話だ


“彼”が君の力を欲しているからだよ」


『!!!』





ヴェルゴの言う彼なんて1人しかいない

まさか、あのドフラミンゴがこの力に目を向けるとは…!!


私個人としては、この力よりローの能力(・・・・・)に気がいくと思ってたんだけど…





『へぇ、全然嬉しくないことを言ってくれるね

ジョーカーが今更私を?』


「今更ではないだろうな

君が食べた実を知ってからというもの、機会を窺っていただろうよ


どうにも番犬がいて難しかったらしいが、事が上手くいってよかった」




チラ、とワザとらしく視線を向けるヴェルゴに、ローはギロリと睨む


にしても能力、ね…




『少なくとも周囲が思うような能力じゃない

それが分かってないなんて…ジョーカーも落ちぶれたな』


「…今君の船長の心臓を持ってるのが誰なのか

再確認する必要があるか?」


『私の言葉1つでそんな荒事をする必要がどこにある?

たかが小娘の戯言に?』


「ああ言えばこう言う…まったく誰に習ったんだか」




生憎私も伊達に人生2周目を謳歌してないんでね

そりゃ今まで以上に言い返す言葉も増えるってもんよ


大人の矜持ってものを示したいのか、ローの心臓を握り潰すようなマネはしなかったヴェルゴ

良かった、こんなことでローを苦しめるなんてあっちゃならないからね


今はとりあえず、この場をどうやって潜り抜けるかを考えないと


幸いなのは、今私を縛り付けているのが海楼石の錠ではないこと

シーザー達がこの部屋を出た後、コッソリと壊させて貰おうじゃないか



暫くすると、上機嫌な様子でこの部屋に戻ってきたシーザー

縛り付けられた私を見て、シーザーはニヤリと笑う




「シュロロロ…

テメェも実験に使おうとしたんだがな…残念だ」


『お前のくだらない実験に付き合わなくて済むと思うと清々するね

ま、ジョーカーの下へ連れてかれるってのも嫌すぎるけど』


「自分の立場を弁えろよ小娘が…!!」


『そんな小娘の戯言も躱せないお前らもどうかと思うよ?』




怒りで顔を歪めるシーザーに、今度は私が挑発的に笑う

どいつもこいつも短気だな、こんな陳腐な言葉に右往左往するなんて

ご愁傷様、とでも言うべきか


さて、小馬鹿にするのもこの辺にしておこう


じゃないとその鬱憤が全てローに向けられてしまうからね

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