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第28話 ページ29






アパートの前で降ろして貰い、昴さんの車を見えなくなるまで見送った後、私はダッシュで部屋に戻った。

動揺と焦りとで扉を荒々しく開け閉めし、ドタバタとリビングに向かう。



勢いよくリビングのドアを開ければ、そこには驚いている兄ちゃんの姿があった。




「お、おかえり…A、どうした?そんなに慌てて───」

「ただいま!兄ちゃん、沖矢昴って人知ってる!?」




と、ここで私は座卓の前で正座し、今日1日のことを全て話した。話を聞いている兄ちゃんの表情は徐々に険しくなっていき、




「…大体は把握したよ…もしかしたら黒の組織に関係のある人物だろうね。幹部の中に変装の達人がいるから、もしかしたらそいつの可能性もある。あるいは、そいつに変装を手伝ってもらった第三者か…」

「東都大学の院生だし、会うチャンスは結構あると思うよ。」

「…そうだな、早速探ってみるか。そいつがいつお前に危害を加えるか分からないし。ただ、その院生ってのが偽装だとしたら、恐らくそいつは大学に来ないと思うけど…」

「それってアリなの?」

「犯罪を簡単に犯す集団だからね。」

「サラッと聞いちゃいけないこと聞いた気がする…」




とりあえず、明日は朝から講義があるため、兄ちゃんも一緒に大学へ向かうことに。そこで一旦話を区切り、用意してくれたご飯にありついたの…




「A、手は洗った?」

「洗ってないです今すぐ洗ってくる!」

「よろしい。」




こういう所は律儀に守らないと、兄ちゃん怖いんです(震え)

手をきちんと洗って、ご飯食べて、雑談して、お風呂に入って、布団に入ればようやく1日の終わりを実感する。


とんでもない疑惑が出てきてしまったけれど、事件は解決したので良しとしよう。

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作者名: | 作成日時:2022年7月4日 1時

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