第15話 ページ16
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というわけで、私と兄ちゃんは組織について探ることになった。
その上で、約束事を4つ決めた。
“組織のことについて関係しているんじゃないかと思ったらまず兄ちゃんに相談すること”
“相談した後、必ず1回以上は兄ちゃんにその人物を会わせること”
“組織が絡んでいることに巻き込まれた、飛び込む際は必ず兄ちゃんを呼ぶこと”
“お互いに隠し事はなし。聞かれたことには素直に答えること”
これらを前提として動くように兄ちゃんから言われた。それはもう黒い笑みで。背筋が凍りました、まる
また、兄ちゃんとの連絡手段がないため、バイトでコツコツと溜めたお金で兄ちゃんの携帯、パソコンを購入。最初は兄ちゃんに「自分で稼いだ金だから自分のために使え」と猛反対されたが、「私のために使うんだ」と言ったら溜息を吐かれ、無事購入に成功した。
高校時代からバイトをしていたからかなり貯金あるし、生活費だとお兄ちゃんが勝手に口座に振り込んでいるから困っていないも事実。こういう時にこそお金を使わなくては。
因みに2つとも中古で買ったため契約は何もしていない状態だ。そっちの方が“足がつかない”らしいし、今回購入したのは中古の中でも相当いいやつだったとか。
閑話休題。
準備も整うことができ、いざ実行に移す…のはまだできない。だって関係ありそうな話や人物が特定していないから。
なので私はいつも通り、日常を過ごしている。
朝起きて、兄ちゃんと朝食を共にして、大学で講義を受けて、友達と駄弁って、バイトへ行って、家に帰って兄ちゃん、お兄ちゃんに今日のことを話して。
そして今日も、繰り返される日を過ごすと思っていた。
「あ、あれAさんじゃない？」
「え？…あ、本当だ！」
「？…あれま、蘭ちゃんと園子ちゃん。」
後ろから私の名前が聞こえてきて、しかもその声は聞き覚えのある…そう思いながら後ろを振り返れば、案の定知り合いの女子高生2人だった。
園子ちゃんは蘭ちゃん経由で知り合った、あの鈴木財閥のお嬢様である。
ってあれ、今日は平日。制服で午前中外にいるなんて…何で？
「こんちには！Aさん今日大学は午前中までだったんですか？」
「ううん、今日は講義がない曜日。2人こそ学校は？」
「私達は今日定期テストで午前授業だったんです。」
「あーなるほどね。てことはこれからおでかけ？」
「おでかけっていうか…幼馴染の家の掃除をしに。」
「？」
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作者名：ば
| 作成日時：2022年7月4日 1時
