1．幽霊の兄ちゃんと大学生の私 (ページ15)

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第14話ページ15

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死んでも尚、私を守ろうと必死になる兄ちゃん。
危ない場所から遠ざけて、平和に過ごしてほしいってことくらい私にだって分かる。

でも、それ以上に私だって兄ちゃんに苦しんでほしくない。

「教えて欲しいって言って、兄ちゃんのことを苦しめるきっかけを作ってしまったのは私。
だからその分、兄ちゃんが辛い思いしないようにはしたいと思っているし、兄ちゃんを苦しめている原因をどうにかしたいって思いがある。

私を危険に晒したくないなら、その元凶を一緒に潰そうよ。」

「一緒、に？」

兄ちゃんにとって、私の台詞が予想外だったのかもしれない。
キョトンとした顔で、私を見つめている。

「今はまだ手掛かりも何もないけどさ。もしかしたら案外近くに兄ちゃんのことを知っている人や、組織を追っている人がいるかもしれないじゃん。」

「ｯ危ない橋を渡る必要はないだろう！？それにもしそいつが組織の人間だったら！」

「その時は兄ちゃんが守ってよ。」

怒鳴る兄ちゃんに対して、私は静かに思ったことを話す。そしたら兄ちゃんは体を固まらせた。けどすぐにワナワナと震わせ、「お前を直接守ることができないから言ってるんだ！」とまた怒鳴った。

…こんなに怒る兄ちゃんは初めて。だけど不思議と怖いなんて思わない。私を思っての行動だって分かってるからかな。

「沢山あるよ、守る方法。」

「…？」

「もし私の隣に組織の人がいたとして、そこに兄ちゃんがいれば、兄ちゃんのアドバイスを直接聞きつつ、その人から遠ざかることはできる。
仮に組織の人に襲われそうになったとしても、兄ちゃんの姿は相手に見えてないから、兄ちゃんが物を通して攻撃し、逃げるってのもできそうだし。
兄ちゃんは私と無生物には触れられるから、パソコンとか使って色々できるんじゃない？

それで、私は協力者を探して行動を共にする。その時も兄ちゃんが付いていてくれれば万事解決。」

「…」

「ほら、兄ちゃんが私を守る方法、いっぱいあるじゃん。下手したら生きている時よりできることいっぱいあるんじゃない？」

唖然とする兄ちゃんに、ニカッと笑顔を向ける。

暫く沈黙が続いたけど、

「………はぁぁぁぁ、お前はまったく…そんなお転婆に育ったなんて知らなかったよ。」

深い深い溜息をこぼした、兄ちゃんが折れた。