第12話 ページ13
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ひったくりを警察に突き出した後、軽い事情聴取を受けていたら、いつの間にか家に出て1時間は経過していた。
買い物に1時間もかかる筈はないから、兄ちゃんは心配しているに違いない。
かといって連絡手段もないもんだから、最善策はさっさと買い物をして家に帰ることだけ。
そのためには…
私は急いで助けてくれた男性の下へ駆け寄り、思い切り頭を下げた。
「あの、助けて下さってありがとうございました!貴方が通りがかってなかったら今頃…」
「いえいえ、相当怒り心頭のご様子でしたし、ひったくりを目の前にして…」
顔を上げたその時、その男性は何故か私の顔を凝視していた。
というか、私も凝視してしまった。
イ ケ メ ン じ ゃ ね ぇ か ←
高身長で茶髪、糸目で眼鏡というインテリ系のイケメン。しかも心なしか体もガッシリしているような…
え、私こんなイケメンを使って鞄取り返したの!?(言い方)
…で、この人も何で私の顔を凝視してるんだ?
よし、これで凝視してたのしらばっくれよう←
「…あの、私の顔に何かついてますか?」
「!、いえ、何もついていませんよ。すみません、ジロジロ見てしまって。」
「あぁいや!私もその、結構凝視しちゃったんで…ボソッ あまりのイケメンさに。」
「?、何かおっしゃりましたか?」「何でもないです。」
じゃあ、私買い物行かなきゃなんで!今日は本当にありがとうございました!と逃げるようにその場を立ち去った。
本当はお礼とかしなきゃいけないんだろうけど、何故かこの時の私は「またあの人に会える」という謎の確信を持っていた。
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「…あの目…
まさかな…」
男は全力ダッシュするAの背中を見つめながら、静かに呟いたのだった。
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大幅に変更しました。
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作者名:ば | 作成日時:2022年7月4日 1時