第10話 ページ11
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互いに揶揄い、小馬鹿にし合う時間も過ぎ去り、少年は愛しの蘭姉ちゃんが待ってるからとポアロをあとにした。
こんなのがバイトの習慣だなんて、恥ずかしいにも程がある。小学生相手に舐められる大学生とは。Siri教えて(切実)
ポアロはもともと来店して下さるお客様の人数が、チェーン店より断然少ないため、ゆったりしながらバイトをこなしていった。
そして気付けばバイト上がりの時間。時間が経つのは早いものだ。
「梓さん、時間になったんで先上がらせてもらいますね。」
「わかったわ、ありがとう！…今日もすぐ帰っちゃうの？」
「まぁ…あはは、すいません。」
「大丈夫よ、でもたまにはお話に付き合ってね。」
「勿論！じゃあお疲れ様でしたー。」
名残惜しそうに私を見送る梓さんを見て心が痛んだが、家で兄ちゃんが夕飯作って待ってくれているからとポアロをあとにする。
徒歩圏内にバイトがあるのは嬉しい事で、十数分歩けば見慣れたアパートが見えてきた。
本来なら消えているであろう部屋の電気が窓から漏れ出ていて、思わず口角が上がる。
アパートの階段を上がり、2階の端にある自身の部屋の鍵を開けてその扉を開ければ、今日の夕飯であろう良い匂いが鼻腔を擽った。
玄関で靴を脱ぎ、短い廊下を歩けばリビングでお皿を座卓に並べている兄ちゃんの姿。
「ただいまー！兄ちゃん今日のご飯はー？」
「おかえり。見たら分かると思うが肉じゃがだよ。」
「やった！手洗ってくる！」
急いで洗面所へ向かい、ちゃんと手を洗ってすぐにリビングに戻って着席。そんな私を兄ちゃんは「飯は逃げないぞ？」と苦笑して。
『いただきます。』と手を合わせて挨拶した後は、今日1日の出来事を互いに報告しあった。
散歩してたら三毛猫に遭遇したとか、米花町でこんなのが増えてたのかとか
授業が眠かったとか、ポアロでこんなことがあったとか
「江戸川コナン君かぁ…そんなことまで気付くなんて、相当な観察力と推理力だね。」
「本当に。小学生とは思えないよアレは。隠し事全然できないし。」
「俺達のこと、バレないようにしないとだな。」
「そうだけど…そうなんだけど…！！他人事だと思ってぇ！！」
「他人事ではないけど、実際俺はお前以外に関わるどころか認識さえされないからな。すべてはAにかかってる。頑張れ。」
「グゥの音も出ない…」
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作者名：ば
| 作成日時：2022年7月4日 1時
