32 ページ32
・
ドフラミンゴが周囲の人間に私達を奪い返せと指示を出し始め
勿論それが聞こえている私達は肩を揺らす
「よせ…!!
アイツらを追ってどうする」
「ローの場合オペオペの実を食っちまったんなら
Aも今後見込みがある
ローが死ぬその時まで仕えさせる…!!」
要するに、私達2人は使い捨ての駒
ドフラミンゴの残忍さを目の当たりにした瞬間だ
「まったく余計な事ばかりしやがって
なぜ俺の邪魔をする!!コラソン!!!
なぜ俺が実の家族を二度も殺さなきゃならないんだ!!!」
ボロボロと流れる涙は、止まることを知らない
いやだよ、コラさん
死んじゃいやだ!!!
隣で箱を叩くローも必死だ
だって、殺されないって約束をしたんだから
私は殺されるって知っていて、守られない
…もう1つの約束を…ローを生かす為にも!!
───けど!!!
『死なないで、コラさん…!!』ﾊﾟｸﾊﾟｸ
その願いは、音とならずに空気となって消えてしまう
「ローもAもお前にゃ従わねェぞ、ドフィ…
───ローは3年後に死ぬって“運命”に勝ったんだ…!!
Aも孤独に生きていくかもしれない“運命”に打ち勝った!!
自分を見失い、居場所を失い“狂気の海賊”の元へ迷い込んだあの日のアイツらじゃねェ
破壊の申し子の様なお前から、得る物は何もない!!
もう放っといてやれ!!!
アイツらは自由だ!!!」
刹那
ﾄﾞﾝ!! ﾄﾞﾝ!! ﾄﾞﾝ!!
銃声が、何回も何回も響き渡った
泣き叫ぶ私達のことを知らずに、無慈悲にも
発砲音が静まった頃
箱が運ばれる感覚の後、地面へ下ろされる感覚を覚える
蓋を少し上げてみれば、簡単に開けることができた
蓋の隙間から様子を窺ってみると、ファミリーは完全に出港準備に追われている
ローの肩を叩いて行くよとジェスチャーをしてから刀を抱え、ローと手を繋いで歩き始める
泣きじゃくる私とローからは、泣き声なんて聞こえない
歩いて暫くした途端
「ウワァァ〜…
アアアア〜〜〜〜!!!」
『ヒック…あああああああ!!!!』
「『わああああああ!!!!!!』」
私達の泣き叫ぶ声が、砲撃音と爆発音に埋もれて
誰の耳にも入らない
だからだろう、私達はずっと2人で泣きながら
でも、歩く足だけは止めずに進み続けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KK
| 作成日時：2021年6月7日 19時
