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手に取って構えた瞬間
何故か懐かしい感覚に襲われた
＿＿＿＿＿＿ﾌﾞﾝｯ!!!
『ｯ、』
「…(動きがガキにしては良すぎる
自分の身長よりある刀を振り回せるとは)」
ヴェルゴに攻撃は当たらないけど、別にそれでいい
コラさんとローが逃げれたら、それで…!!
脚に力を入れ、1歩踏み出そうとしたその時
不覚にも、雪で足が取られてしまった
『あ、!』
「残念だな
折角いい動きをしてるってのに」
刹那、ヴェルゴの拳が私の鳩尾に襲い掛かり
『ｯ、───おﾞぇ!!?』
膝をついた瞬間、殴られた影響で胃液が込み上げ
そのまま無様に嘔吐した
喉が焼けるように痛い
お腹が痛いし気持ち悪い
視界が…霞む…
霞んでいく世界の中で見えるのは、ヴェルゴが電伝虫に話しかけている光景
そして感じたのは、浮遊感
『…コ、ラさ…ん?』
「喋るな、少し移動する」
何で、私がヴェルゴを相手にしている間、隙なんていくらでもあったのに…
音が聞こえない…防音壁…
だから電話をしてるヴェルゴが気付いてないんだ
物陰に隠れてから暫く
様子を窺うコラさんも私の隣で横になっているローも
私も
一緒になって空を見上げる
アレは…“鳥カゴ”だ
「何だ…アレ」
「恐らくドフィの能力だろう…
1つだけわかるとすれば…
もう、逃げ場はない」
このまま時間が進むとなれば
コラさんはドフラミンゴに殺されてしまう
助けたいけど私は未熟だから、何も出来ない
…だから、コラさんと2人で交わした約束を
意地でも守るしか、ない
これが、私のできる“最善”だ
鳩尾の痛みで動きずらい体に鞭打って、刀を杖にして私は立ち上がる
それと同時に、コラさんはローを抱き上げて私達に声をかけた
「ロー、A…移動するぞ」
「ﾋﾞｸｯ!!」
『!?』
「行こう!!」ﾆﾞｺﾞｯ!
…いや、コラさん笑顔下手くそすぎ!!!
でも、そのお陰で…
『…ブフッ』
「!」
肩の力が抜けたよ
ありがとう、コラさん
『コラさんのペースに合わせますよ』
「ｯ…お前は本当にしっかりしてんなァ」
『コラさんがドジだから、その分しっかりしないとじゃないですか』
「???」
何かを察したのか分からないけど、ローが私とコラさんを交互に見つめる
…大丈夫、絶対に“2人”で切り抜けよう
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作者名：KK
| 作成日時：2021年6月7日 19時
