29 ページ29
「…それぐらい俺1人で行く!
Aはコラさんの止血を続けてくれ!!」
『え、私も行く!!』
「お前にばっか頼んでばかりじゃだめだ!!
いいからコラさんの様子見とけよ!!?」
私も一緒に…!!
そう言おうと手を伸ばすも、それはローに届かない
コラさんは血を流し過ぎたせいか気絶していて、私は1人絶望した
…ヴェルゴに渡っちゃう!!!
物語通りに進むのはいいかもしれない
けどそれは、酷く私を動揺させる
『ｯ、今は止血をする!!!』
背もたれになりそうな石の傍までコラさんを運び、座らせた状態で止血を進めていく
…お願い、せめて止血が終わるまで来るな、ヴェルゴ!!!
ここまで恐怖を覚えたのは、多分過去の中では1番だと思う
───
──
─
「コラさーん!!
この人が手当てしてくれるって!!」
私とコラさんはその人物を見て、息を呑む
…ヴェルゴだ!!
「ヴェルゴ!!!」
「コラソン…!!お前ここで何を…!?
酷いケガだ…!!
ん!?今…声を…!!?」
ローを背負ったヴェルゴが、コラさんが声を出したことに驚きを見せ
コラさんはやってしまったと頭を抱え
背から下ろされたローはヴェルゴの名前を聞き、ただでさえ悪い顔色を更に悪くさせていく
…体が、動かない…!!
文書を見たヴェルゴの顔は、徐々に怒りの色を見せる
「理解したよ、ロシナンテ」
「ｯ、」ﾄﾞﾝｯ!!!
『ぅわ!!』
突然私を押したコラさん
顔から倒れ込んだ瞬間、蹴りとは思えない音とローの叫び声が響く
ローがヴェルゴに噛み付くも、簡単に捕まってしまい
体をぶん投げられてしまう
コラさんがミンチにされている間、私はそこから1歩も動けずに
その光景をガタガタ震えながら見る事しかできない
ローが止めようとしても、簡単にいなしてしまい
2人がボロボロになって気絶した頃
「…お前、その刀
ドフィが狙っていたヤツじゃねェか」
『ハァッ、ハァッ…!!』
ヴェルゴの視線が刀に移った瞬間、私は刀をギュッと握りしめる
…怖い、怖い、怖い…!!
息が上手く吸えない
また私は何もできないまま…!?
フザけんなよ!!
…せめて、コラさんとローが姿を隠しやすいように
私が1番動けるんだから、立て!!
『…』ｽｩ…ﾁｬｷ
「ほう?俺に盾突くのか
(妙だな、さっきまでの怯えがなくなっている)」
自分の身長よりも長い刀を抜刀し、私は静かにそれを構えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KK
| 作成日時：2021年6月7日 19時
