1．この世界で最初に見つけてくれたのは貴方でした【ONE PIECE】 (ページ23)

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コラソンside

『…で、何でこの話をローに聞かれたくないんですか?』

まるで確信を得たような表情で俺を見る少女─A

俺は、コイツが本当に記憶喪失のただの少女なのかと疑ってしまうことが多々あった

今だって、そうだ

こんな見透かす様な目を、たった10歳の少女が向けられるのだろうか

…普通なら、絶対にない

俺はその姿を見て、まるで俺と同じ大人と会話しているような錯覚に襲われる

「…そうだな、この話だけだったら

ローがいても何の支障はない

お前に話したかったのはな、これからのことだ」

『…』

「病気が治るどころか診てくれる病院すらない

…そんなアイツにとって、唯一の支えはお前だ

俺がもし“何かあった時”アイツの事を頼む

お前はそんじょそこらの大人より“賢い”し“人を見る目”を持っている

それをドフィの下で使うなんて勿体ない

自分の為に…できるならローの為に使ってくれ」

『ｯ、』

Aは息を呑み、何か言葉にしようとしたようだが

直ぐに口を閉ざし、暫く考える素振りを見せてから再び口を開く

『わ、私1人じゃあローに何もできないです

コラさんがいるから、私は…!!』

「ハハッ、嬉しいこと言ってくれるじゃねェか」

ウリウリと頭を撫でてやれば、Aは悔しそうな顔をして俯く

…お前はもしかしたら、これから何が起こるか…までは分からないだろうが

碌な事が起きない、という事を感じ取っているのかもしれない

コイツは優しい子だ

常にソイツの最善を探し、それがデカいことだろうとちっぽけなことだろうと

自分のできる限りで、ソイツの為に動ける

俺が病院を探し回っている時、常にコイツはローの傍にいた

泣き叫ぶローの背をさすり、一緒に眠ってやり、迫害で心がボロボロになったローの為に、無謀な事をしていた俺を殴って

…お前は、賢くて優しい奴だよ

だからこそ、コイツはローと一緒に生きるべきだ

“互いを”思い合うコイツらは、絶対に

『…、コラさん』

「?、何だ」

『…わ、たし、』

「無理して言うな

誰だって隠し事の1つや2つ、ある」

『ｯ、ハハ、コラさんは…何でもお見通し、なんですね』

「お前は顔とか表情とか態度に出やすいからなァ」

無理して抱えてるモンを言わなくていい

いつか誰かに言える時が来たら、ソイツに話せばいい

…だから、自分を見失うなよ、A