1．この世界で最初に見つけてくれたのは貴方でした【ONE PIECE】 (ページ20)

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“白い町の生き残り”

“なぜ全員駆除しなかった”

“感染る、どっか行け”

どれだけの罵声を上げれば気が済むのだろうか

コラさんが訪れた病院…いや、珀鉛病の真意を知らない人間を見て

ローは嫌だと言いながらその罵声を浴びるばかり

…それでもコラさんが諦めずにいたのは、助けたいという思いが強いからだろう

「A…俺もう嫌だ…!!

病院に行きたくねェ…!!

もう何も、言われたくねェよ…!!」

『ｯ、』

眠る時、私はローの傍を離れなかった

あれだけの迫害を受けて、1人で眠るなんてできるはずがないから

だから私はローを抱き締めて、1人じゃないよと伝えるのだ

…もう、限界だった

ローの事を知らずに罵声を上げる奴らの声を聞くのも

ローが苦しくて辛いと泣き叫ぶ声を聞くのも

コラさんが諦めず、前向きに行こうとするのも

…それら全てを見るだけしかできない、自分自身にも

「それでも医者かァ!!!」

『───コラさん、』

「A、後にしてくれ

コイツを殴らねェと気が───」

＿＿＿＿＿＿ﾎﾞｶｯｯｯ!!!!

私は我慢の限界を超え、医者を殴り続けるコラさんの頭を思い切り殴り

その胸ぐらを荒く掴んだ

『これ以上ローを苦しめるな!!!!』

「ｯｯ!!」

『…行きますよ

ローを殺そうとしてくる人達がきます』

「…分かった」

息を呑んだコラさんは落ち着きを取り戻したのか、引き返す為にローを背負う

…もう、歩くことも辛い体になってしまったのだ

コラさんがローを治したいと思う気持ちも分かる

…けど、その度に辛い思いを堪えなきゃいけないローの気持ち

それだけは、見逃さないで欲しい

ローを背負って私の前を歩く、その大きな背中を見ながら

私は泣きそうなのを堪えながら、心の中で呟いた