1．この世界で最初に見つけてくれたのは貴方でした【ONE PIECE】 (ページ12)

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ドフラミンゴside

『この世界のことは薄ぼんやりと覚えてるんですけど

自分の事に関しては、名前以外全く覚えてません』

「言っていたな」

『ほぼ0のスタートを切った私が、最初に知ったのが海賊っていう…普通なら悪と捉えられてしまう場所で

どんなに怖くても…それを知ったからには、ちゃんと向き合っていかなきゃダメなんだ

海賊がどういうもので、どういう事をしているのか

それをちゃんと知った上で、自分が次にどう動くのか考えるべきだ

最初から怖がって拒絶して、周囲が見えなくなるのが1番愚かだと私は思います

怖くても、ちゃんと見るべきだって

ちゃんとそれら全てを知ってから、怖がるなり遠ざけるなりして

別の道に進めばいい』

「…」

コイツが本当にガキなのか疑うくらい“己”をしっかり持った考えだった

…その辺のバカよりしっかりしてやがる、本当に

と、思っていたが

『それは分かってるけどどうしてもドフラミンゴさんだけはメチャクチャ怖くていつも表情と態度全てに出てますゴメンナサイ』

「…」

『…あ、口滑った』

「…」

『;;

ご、ゴメンナシャイ…』

…やっぱりコイツはバカだ

前言撤回だ、底なしのバカだコイツは

素直に言う奴があるか…

…だが、

「フッフッフッフッ!」

『…?』

「本人目の前でバカ正直に答えるたァ

素直すぎんのも考えものだなァ」

『ぅぇ…そうでしゅね?』

「そこがお前の面白い部分の1つなんだろうな

…別にビビってるからって取って食いやしねェよ

だが慣れろ」

『…ど、努力しましゅ』

Aの頬を解放させ、俺はグシャグシャと頭を撫でてやる

またマヌケな顔を見せるコイツに満足している自分がいた

…こういうアホさにローも

そう考えると頷けるものだ

俺もすっかり絆されちまった

「あとドフラミンゴさんは長ェ

周囲の奴らはドフィか若と言ってる」

『…私まだファミリーに入ってないですよね?』

「別に構いやしねェよ

それに教え込んでやってんだ

今更ファミリーに入ってないなんざ言わねェさ」

『…じゃあ若?』

「それでいい」

呼び方にまだ不慣れな感じはあるが、まァいいだろう

いずれ慣れるさ

俺はこの日、勉強を見ている間

事あるごとにAの頭を撫で

Aはそれに終始困惑した表情を浮かべていた