肆拾漆 ページ49
〈人間だよ。〉
スピーカー越しに聞こえてくる硝子ちゃんの声が、残酷にもそう言った。
〈いや、元人間と言った方がいいかな。
映画館の3人と同じだな。
呪術で体の形を無理矢理変えられてる。〉
「それだけなら初めに気付けますよ。
私達が戦った3人には呪霊のように呪力が漲っていた。」
〈そればっかりは犯人に術式のことを聞くしかないな。
ただ脳幹の辺りにイジられた形跡がある。
恐らく意識障害…錯乱状態を作り出すためだろう。
脳までイジれるなら、呪力が使えるように人間を改造することも可能かもしれん。
脳と呪力の関係はまだまだブラックボックスだからな。〉
体の改造
それだけならまだ単純な術式だと完結できるかもしれない。
けれど、非術師に呪力が宿る
これだけで単純でないことが伺えた。
〈そうだ 虎杖は聞いてるか?〉
「あ ウス。」
〈コイツらの死因はザックリ言うと
体を改造させられたことによるショック死だ。
君が殺したんじゃない。
その辺り履き違えるなよ。〉
「はい…」
硝子ちゃんの言葉は気休め程度だ。
だって、悠仁はこの前まで非術師だった
割り切るには時間がいるに決まっている。
通話が終了し、今いる部屋に静寂が支配する。
それを突き破ったのは、悠仁だ。
「どっちもさ、俺にとっては同じ重さの他人の死だ。
それでもこれは 趣味が悪すぎだろ。」
ピリッと刺すような殺気
多分、今健ちゃんと私は同じことを思っているだろう。
この子は、他人のために本気で怒れるのだな と。
「あの残穢自体ブラフで、私達は誘い込まれたのでしょう。」
そう言いながら健ちゃんがソファから立ち上がる。
「相当なヤリ手です。
これはそこそこでは済みそうにない。」
恐らく、いや確実に、ここでニヤリと笑うのは不謹慎
それが分かっていても、好戦的な笑みをこぼしてしまう。
…いつの間に頼もしくなってんの、健ちゃん。
こっちまで負けてらんないって、思っちゃうじゃん。
「気張っていきましょう。」
「『応!!』」
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Kk(プロフ) - かぽさん» ありがとうございます!!気に入って下さって嬉しいです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いします! (2021年2月28日 14時) (
レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
かぽ - 「いっぱいちゅき」 です、気づいたら一気に読んでました。テストは捨てます、ありがとうございます。に読んで (2021年2月28日 12時) (レス) id: f5d3c9fe44 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます!!感謝感激雨あられです!! (2021年2月1日 17時) (レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - うわああああああ、好きです。（唐突） (2021年2月1日 13時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KK
| 作成日時：2021年1月29日 22時
