拾捌 ページ20
バツン!!!
生得領域が閉じた気配に、バッと振り向き中を確認すれば、特級も生得領域も存在しない。
そして、私はある違和感を覚えた。
…悠仁がいない?
「生得領域が閉じた!
後は虎杖が戻れば」
『恵、構えて。』
「?」
草薙を再び抜刀し、私達の背後にいる“相手”に私は構えた。
そこにいたのは
「
呪いの王 両面宿儺
中々の
私が相手してきた中でトップ2の強さ。
…これ勝てるかね、本当に。
隣で体を固まらせている恵の頬から、雨ではない別の水が伝っている。
私は目の前の敵に殺気を放ち、いつでも交戦できるよう身構える。
「そう脅えるな。
今は機嫌がいい。少し話そう。」
『…呪いの王様と話すことなんて何もないんだけど。
今すぐ悠仁と代われ。じゃなきゃ殺す。』
「ケヒッ 気の強い女は嫌いじゃないが
俺の機嫌を損ねたらどうなるか、分かっているだろうな?」
ビリビリと伝わる、私よりも重く刺さる殺気。
…流石呪いの王、その名は伊達じゃないって?
恵のためにも大人しく話を聞くことにした私を一瞥し、宿儺は口を開いた。
「何の縛りもなく俺を利用したツケだな。
俺と代わるのに少々手こずっているようだ。
しかしまぁ、それも時間の問題だろ。
そこで 俺に今できることを考えた。」
そう言いながら上着を破り捨てた宿儺は、鋭い爪を持つその手を
自身の胸に突き刺した。
「なっ!!」
『…』
なるほど、そういうことね。
宿儺が胸から手を引き抜いた。
その手には、ドクドクと拍動する心臓が握られている。
「
『心臓をなくして死ぬようなら、呪いの王なんて称されるわけないもんねぇ。
アンタと悠仁が代わる=死
だから人質。』
「ほう、そこの小娘はよく分かってるじゃないか。
更に駄目押しだ。」
そう言って宿儺は、自身の指を飲み込んだ。
…あの指、もしかして特級が取り込んでたヤツ?
今回は色々とイレギュラーすぎでしょ…
「さてと 晴れて自由の身だ。もう脅えていいぞ。
殺す 特に理由はない。」
「…あの時と、立場が逆転したな。」
先程まで焦りの色を持っていた恵の表情は
私が目を瞠るくらいには、落ち着いたものになっていた。
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Kk(プロフ) - かぽさん» ありがとうございます!!気に入って下さって嬉しいです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いします! (2021年2月28日 14時) (レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
かぽ - 「いっぱいちゅき」 です、気づいたら一気に読んでました。テストは捨てます、ありがとうございます。に読んで (2021年2月28日 12時) (レス) id: f5d3c9fe44 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます!!感謝感激雨あられです!! (2021年2月1日 17時) (レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - うわああああああ、好きです。(唐突) (2021年2月1日 13時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KK | 作成日時:2021年1月29日 22時