2．幽霊の兄ちゃんと大学生の私 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:8,430 hit

第46話ページ5

・

兄ちゃんには間接的に琴音のストーカー撃退の協力を依頼していたため、昨日解決したことを話した。

「え？昨日の今日で解決したの？」

「そう。良かったっちゃ良かったんだけど展開についていけなくてさ～。」

「Aとしては腑に落ちない感じ？」

「そういう感じっス。」

いや本当に解決するの早すぎよ。それでさ、と言葉を続けようとした時、ふと思い出す。

そして改めて、私は続きを口にした。

「…ねぇ、金髪褐色肌の碧眼イケメンって言って思いつくのは？」
「それゼロ以外誰が思い浮かぶと？？？」

「あ、やっぱそう思う？」

兄ちゃんの即答に引きながらも、返ってきた答えに私はだよねぇなんて返した。

私の質問の意図を理解したのか、兄ちゃんはもしかして…と呟く。
それに対して首肯し、琴音が告げた特徴がそうであったことと、もしかしたらゼロさん─兄ちゃんの幼馴染である降谷零さんが琴音を助けたんじゃないかと説明する。

すると兄ちゃんはそっか…と呟き、懐かしそうに笑った。

「颯爽と助けてそうだな。それで女の子にキャーキャー言われてそう。」

「事実、我が友人琴音は恋に落ちたのだった。」

「何か唐突に終わったね。…ゼロは昔からモテてたからなぁ。」

「幼い頃の私から見てもゼロさんイケメンだったわ…かなり素っ気なかったけど。」

「あの時のゼロは少し固かったんだよ。俺が死ぬ前にはその固さも少しは改善してたから大目に見てやって。」

「ツーンとした顔で私を見下ろしている印象しかない。」

「アハハ…子どもとどう接すればいいか分からなかったんじゃないかな。」

それは今だからこそ分かる事。ゼロさんは一人っ子らしいから、年下の、それも10も下の女の子にどう対応すればよかったのか分からなかっただけだ。と割り切っている。

…あの時の私はそんなゼロさんが苦手だったな。
まぁ初対面で素っ気ない態度をとられたら、子どもは誰だって怖がる。私もそうだったってだけだ。

「まぁ、琴音さんを助けたのがゼロって決まったわけじゃないから分からないけど。」

「それはそうだわ。…けど私の中じゃ、ほぼゼロさんで確定してるんだよねぇ。」

「奇遇だね、俺もそう思う。」

ゼロさん…かぁ。私も久々に会いたいとは思うけど

───それ以上に、兄ちゃんは会いたいんだろうな。