転ちゃん、どこにいますか?【ヒロアカ】【死柄木弔】 (ページ2)

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1話ページ2

ゴツッ

朝から大きく鈍い音と共に、猛烈な痛みが額を襲う

寝起きのはずなのに一瞬で目が覚めてしまった

そろそろこの寝相の悪さも直さなければならない。そう思いながら身体をおこした

1ヶ月程前にサクラが咲いた俺は、はれて雄英高校普通科1年A組となった

急いで傷にならないように氷で冷やす

入学初日から額にタンコブなんて考えたくない

昨日の作り置きをレンジに突っ込んで温める

この1Kの部屋にTVなんておいてない。孤児院から支給されるお金で買えるわけ無かった

なのでいつもTVはスマホで見る

今日の話題はヒーローが事件を解決したか、入学式の話の2つに1つだ

特に頭に入ってはいないが、見ないよりは見た方がいいと思い日課にしている

『(久しぶりに見たな、あの夢)』

夢、というか記憶か

孤児院では気持ち悪がられたものだ

一番はじめに喋った言葉は“転ちゃん”

会話ができるようになってからは転ちゃんの事や前世の事を色々話していた

5歳で死んでしまったのだから、あの時の精神年齢も5歳で止まってたんだ

知ってる事を純粋に話してしまうのはしょうがない

てか俺本当に“転ちゃん”好きだな

まぁそうか。あんなに仲良かったんだし

片方が泣けばもう片方がヒーローとして助けに来る

なにか1つのモノを渡されたら半分にする

楽しい事、嬉しい事、悲しい事、面白かった事、すべてを共有していた

転ちゃんが好きなオールマイト、今年から雄英の教師になるんだって

ズルい!って拗ねるのかな?それとも素直に喜んでくれる?

もし、あの後すぐに生まれ変わったとしてら転ちゃんは今20歳

プロヒーローじゃないのなら、サポートとかの仕事をしてるの?

個性がなくたって転ちゃんは俺のヒーローだよ

転ちゃんのお父さんが反対したって、華ちゃんも応援してくれるって言ってたし

早く会いたいな

……なんてね

俺は絵空事に自分で終止符をうって、レンジから出した朝食に手をつけた