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「……上手く騙したね」
「えぇ〜、フードちゃん、それどういうこと〜？」
焦ってないなんて、バリバリウソ。
心臓は爆発しちゃうんじゃないかってくらいﾊﾞｸﾊﾞｸだし、顔に出さないように意識はするけど、正体バレかけててポーカーフェイスとかそろそろリームー。
「千空君と約束を決めたんでしょ？」
目深にかぶったフードのせいで顔が全然見えないけど多分、確信に満ちた意思の強い瞳なんだろうな、と勝手に思っちゃう。
「さっきの報告で君が言っていた原始的な村。そこで千空君を見つけた……違う？」
一歩一歩距離を詰めてくるフードちゃん。フードちゃんとのあまり身長差がないことに内心驚いている。
「
「……コーラ1本の同盟なんだ」
距離を詰めてくるフードちゃんに、俺が放った言葉がコレ。言ったあとで自分もゴイスー驚いている。メンタリスト失格かなぁ〜？
「……私はA、露草A。
東都大学3年医学部医学科。
彼には高校生だと思われたけど、21よ」
名前を教えてくれたフードちゃん…もといAちゃん。
実は年上だったなんてゴイスー……
俺も高校生だと思いました、だなんてこんな雰囲気だと言えないよなぁこりゃ。めっちゃ怖いオーラ出してるし(笑)
「……で。コーラ1本で千空君の死亡を伝えるように約束を決めたんだね？」
「あ、うん、そーそー」
ふーん……と、呟いたAちゃんは右腕を組み、左手を顎に添えて優雅に微笑む。探偵みたい。
「そっちの進み具合はどうなの？」
ポーズはそのままに、目線だけを俺に向けたAちゃんが聞いてきた。身長差的に上目遣いになってるのは俺の方だけど、ゴイスーかわいい……
「村の科学使いちゃんと一緒に確か電気作ってたよ。あとね〜、ルリちゃんって言う村の女の子のためにゴイスーな特効薬作るって言ってたかな〜」
「サルファ剤の事かな？そう、電気……電気ねぇ」
その後少し黙ったAちゃんは、急に右手の人差し指を動かして、机を叩くような動作をし始めた。
そして、一言。
「情報戦が始まるのは来年の春」
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作者名：悠璃 | 作成日時：2021年7月2日 21時
