Fantasy vs Science ページ5
大樹「ありがとう，千空！A！なにらなにまで。俺は考える工夫のできんぶん、気合いと量でカバーしてみせる！」
そう言って大樹君は即座に食べ終えると再び籠を担いだ。逆サイド採集ーー！！とか叫びながら走っていった。あっという間に見えなくなった彼には関心。
A「ん〜じゃ、散策行ってくるね〜」
千空「ああ、俺は洞窟の方に行ってくる。そろそろ溜まってるころだしな」
A「
千空君はそのまま硝酸の採れる洞窟へ向かった。
千空君は大樹君と一緒に帰ってきた。どうやら硝酸のことについて話したっぽい。と言っても硝酸の説明はしなかったようだけどね。正直私もしたくない。
大樹「つまり…そのナントカ酸をかければ石が腐って復活するのか？」
千空「そう単純なら苦労はしねえがな」
そう言って千空君は石化したツバメに硝酸をかける。しかし、いつまでたっても変化はない…。
千空「繰り返して試してんだ。手を替え品を替え、何度も何度も……」
研究室の中にはこれまでの実験で使ったツバメ達が置いてある。それを見て大樹は目を見開く。
A「ほんっとファンタジーの領域さ！鉱物なのか細胞か…それすら何にも解ってない。ここに調べる機械すら無いのが現状なんだよ」
大樹「科学ではわからんことも，この世にはあるってことか……！」
千空「ｸｸｸ，出たよその常套句、だから仮説と実験繰り返してんだろうが！地道なもんだ科学は」
地道な仮説と実験を繰り返すことで大きな成功を得るということ……んまぁ、その本質は科学だけでないような気もするが。
千空「酒さえありゃ、硝酸とエタノールでナイタール液が作れる」
A「工業でエッチングに使うっていうアレね」
千空「あぁ」
大樹「…今、何て言った？千空」
大樹君の問いに千空君と私は同時に首を傾げ、千空君が答える。
千空「硝酸とアルコールの混合物，ナイタールだよ鉱物のフェライト粒界を「ちがう！難しい話は俺にはわからん！酒さえあれば？」
すると大樹は籠から何かを取り出す。それは紫色の果物で、粒がいくつもついていて…。
大樹「もしやブドウって、ワインの元になるんじゃないか？」
A「
千空「やるじゃねえか、デカブツ！！」
珍しく千空君が喜びの声を上げた。
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作者名：悠璃 | 作成日時：2021年7月2日 21時
