薄っぺらの同盟 ページ40
A side
「司ちゃん……！」
聞き覚えのある声が、耳に届いた。
「原始的な村があったよ。で！そこに千空ちゃんは、影も形もいなかった。死んでるよ〜間違いなくね！」
特徴的なこの喋り方。どこかで聞いたことがある。
もっと昔、私が嘘をつく前の…………
確か……
ゲン side
千空ちゃんに原始的な村で会って、コーラ1本で結んだ世界一薄っぺらの同盟。
ふぃー、っていうか怖すぎでしょ〜、
司ちゃん帝国本軍TOP3！
ってか、俺が報告してるときに走ってったフードちゃんいたけど、あの子誰だろう？
身長的には千空ちゃんよりちょっと高いくらいだったけど。男？……でもな〜？
報告を終えて洞窟を出たら、俺がステージでよく使ってる犬鬼灯の花が落ちていた。
仕込んでたタネが走ってる間に落ちちゃったの？
でも、だったらこんなとこに落ちるわけないし……
気になって、落ちてる花を集めながら進んでいく。
集めて集めて歩いていたら、辿り着いたのは来たことのない場所。
「……もしかして俺、ジーマーで迷っちゃった感じ？うわー、どっから来たかなんて覚えてない(￣▽￣;)」
「ねぇ」
すると、後ろから突然声をかけられた。
ビックリして、周りを気にせずに勢いよく振り返る。
でも、後ろには誰もいない。……気のせいかな？
そう思って前を向いたら＿＿＿＿
「うわぁっ！」
美少女がいた。
「えーっと、俺になんか用？さっき飛び出してったフードの子だよね？」
確認するように聞いてはみたけど、心の中では確信している。背丈も同じ、チラッとしか見ていないけれど着ていた服も同じ。
俺の問いかけに首を縦に振るフードちゃん。
「……上手く騙したね」
なんの前触れもなく、フードちゃんはそう言った。
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作者名：悠璃 | 作成日時：2021年7月2日 21時
