You love me？３

※ ページ27

「はいラフト10回っ。1、2、3、4、5、あと5回ね」


「むむむむむぅーっ、」


「7、8、9、はい、終わりー。」






はぁはぁはぁはぁはぁ、



マジでスパルタだわ。



最初やる気なさそうとか思ってごめんなさいだわ。





「今日で三ヶ月だなー、ほぼ毎日頑張ってるよ、Aは、」


「はぁはぁっ、どもっ、」




ついに呼び捨て
別にいいんだけどさ？



私はあえてトレーナーの"コーチ"と思ってリスペクトもあるからていねいには話すけど。





「そろそろ、結果出てきた頃じゃない？帰りにスリーサイズ諸々測って貰って帰ってね。」


「は、はい･･･、」




クタクタ
早く帰って眠りたい。



普通なら早く帰ってビール飲みたい、だったけど
それも北山さんに止められてるからずっと我慢してる。




「にしても、」



Tシャツのお腹部分に手が伸びてきた。



「だいぶ、いい感じ。」


「ぎゃっ！！」



服の上から手のひらでぐーっと押されてびっくりする。



「･･･んな声出すなよー、セクハラだと思われんだろー？」


「いやっ、思ってませんがっ？？」




北山さんがこんなの朝メシ前だってくらい
チャラくて女慣れしてて他のトレーニングに来てる女の子とイチャついてるのも知ってますからっ。



セクハラだとは思ってなくてもいきなり男の人に体触られるとか普通ないし？？




「いや、でも俺としてはもうこれ以上筋肉いらねーなー、」


「別に北山さんの好みになる為にやってるんじゃないですよ？？」


「わかってるよ。でもなー、俺の中のいい女はなー、もう出来上がっちゃったんだよ。おまえ、マジで根性あんな。」




おまえって。
私、お客様ですが？？



でも･･････




「いい女、完成したの？」



つい、本音が出てしまう。



私、変われた？



だって、食事も北山さんの言う通りにしてるんだよ？
食事指導まではほんとはしないんだけどねってこっそり教えてくれたじゃん？




「したした、ほんとは今すぐ抱きたいくらい、」






･･････え？





気付けば耳元で囁かれてて
耳に響く低くて甘い声にゾワッと鳥肌が立った。



って、違う違うっ





「もうっ北山さん、冗談やめてくださいっ。」



ははって笑ってるわ。


心臓に悪いっ。


無駄にいい男で
一生懸命で
時たまこうして"客"としての私を誘惑してくる。



商売が上手い兄ちゃんに
簡単に心奪われそうになって困る。



これは彼の仕事


ただ、それだけなのに

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