赤色に染めたい 【hiromitsu.k】

29 錦戸side ページ29

Aどうしてんのかな･･･？


1人の女に固執すんのってオレらしくない。


しかも、まだプラトニックやのに。小学生やん、オレ。いや、キスはしたで？


･･･やからか。


キスなんかせんかったら良かった。


あの熱でもうろうとしてる時のAが色っぽ過ぎてしてる時の声や吐息が頭から離れへん。


1人部屋に帰ると考えてまうからあれから外で飲むばっかしてる。


あー、久々クラブとか行きたい。


誰でもいいから抱きたいねんけど。


くだらん事もんもんと考えてたらヤスが話しかけてきた。


「亮、最近元気なくない？たまにはメシでも行けへん？」


さすがヤス。


気使って誘ってくれてんの、ありがたく乗っかる事にした。


「亮と2人とか久々やんな。」

って。こういう傷心の時はヤスが丁度いい。


「良かったら話し聞くで？」


って。店に入って乾杯してから優しく言われた。


オレヤスのこと好きになるんちゃうか･･･？


その時見慣れた2人組の男の人が通り過ぎた。


あれ？


「健人くん！」


「おお！亮じゃん！」


健人くんはデビューした頃に共演してよくしてもらった。


お兄ちゃんみたいに面倒みてもうて。



でも結婚してからはあんま会わんようになってんな。


オレもその頃から夜遊び止めて隠居してたし･･･。


「久しぶりー！」


って結局健人くんの連れと4人でテーブルを囲んだ。


もう一人の人は今共演してる俳優さんやて。


「今健人さん、失恋したっつって荒れてるんすよー。」


「え？健人くん、離婚したん？」


「ばか、おまえ余計な事言うなって。」





･･･あぁ、そういう事か。まあ健人くんモテるしな。

奥さんかわいそ･･･。


「健人くん、何で振られたん？」

「あー、そうそう。おまえと同じ事務所のやつだよ。北山くん？取られちゃった感じ？」


は？！


「神田理沙？！」


思わず叫んでた。


北山って･･･？ってヤスも動揺してる。


「待って健人くん。理沙ちゃんって確かに北山と撮られてたけどあれ、付き合ってたんは前の話しちゃうん？」


「いやあ、そんな事理沙も言うんだけどさ。たぶん理沙は北山くんのこと今でも好きなんだわ。

オトコの感だな。」


マジか･･･。


「オレが強引に口説いて付き合い出したんだけどさ。あの写真に載ってる理沙のあんな笑った顔、オレに見せてくれたことないんだよね。」



いや、それ健人くんが奥さんいるからちゃうん？とも思ったけど･･･


まさか･･･？

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