赤色に染めたい 【hiromitsu.k】

26 北山side ページ26

部屋に入れた瞬間Aの顔がよぎったけど別にやましい事あるわけじゃねえしって。

とりあえず今は理沙の話し聞かないと。



「理沙の彼氏ってこの業界の人？」


「うん･･･でもね。別れたんだ。」


って。え？



「今日彼がいないうちに荷物持って出ようと思って鍵も置いてきた所なの。」


「･･･それって写真が出たせいか？」


「違うの。もともと何となく付き合ってただけだから。そろそろ潮時かなって。」




･･･理沙が何となく付き合うとか意外だった。


だってオレとの時はすげえ一生懸命だったから。



「･･･相手、誰か聞いていい？」


「･･･高橋健人」

ってすごいビックネーム出てきた。


若手じゃ演技派で1目置かれてる俳優さんで確かオレより少し年上だったような･･･


同じマンションだったんだ。ってあれ？てか


「高橋さんて、結婚･･･？」


してたよな？確か子供だっていたはず･･･


ここは別宅か？


「うん。だからもういいの。」



「･･･そっか。」



理沙に不倫なんか似合わない。


良かったんだよな？




「高橋さん、写真の事なんか言ってた？」


「写真出る前に別れたいって言ってたから北山くんのせいか？って。でも否定しといた。」


「マジで？ごめん。ややこしくしちゃったんだな･･･。」


「違うの。ややこしくなんかないの･･･。

ヒロミツにこの前会って、健人と別れる決心がついたから。


私、やっぱりヒロミツの事･･･」



･･･ちょっと衝撃だった。



まさか理沙がそんな事言ってくるなんて思いもしなかった。



「･･･ごめん。今付き合ってる子いるんだ。」


「そうなんだ。･･･そうだよね？ごめん。」


「なあ、理沙なら既婚者じゃなくたっていくらでもいい男いるだろ？」



「･･･そんなことないよ。私本当にヒロミツと別れた事後悔してずっと忘れられなかったの。

仕事頑張ったのだってどっかでヒロミツに見てもらいたいって思えたから頑張れたし･･･」





･･･言葉でなかった。


オレの知ってる理沙はとにかく売れたい！ってパワーみなぎっててストイックに頑張ってた。


オレとの事だって好きになったら一直線って感じでストレートに愛情表現してくるしそこに惹かれたのに･･･


そんな理沙がオレの為に頑張ったとか･･･ウソだろ？





「ヒロミツ･･･たまに会ったり出来ない？彼女いてもいいから。」

27 北山side→←25 北山side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す