Puppy Boo. # Kei.Inoo

＊ 25 ＊ ページ27

.








You side.



A「 山田くん、今日はありがとう。
わざわざ家に送ってもらっちゃって…」


涼介「 んーん、いいの。俺がしたかったことだしね、」




そう言いながら、くしゃくしゃっと私の頭を撫でた。







A「 っ…、」

涼介「 …ねえ、Aちゃん」


山田くんは私を呼ぶと、深呼吸をして私を見つめた。








.









涼介「 …俺、Aちゃんのこと好き。」



涼介「 俺じゃ…だめかな」









.








…時が、止まった気がした。
山田くんは、どこか切なげな瞳で
私を見つめている。









A「 ど、どうしたの …？」


涼介「 返事は、今すぐにとは言わないよ。
… ちょっとごめんね。これだけは我慢出来ないや、」









告白の余韻が残って
胸の高鳴りが収まらないまま、


次の瞬間には
山田くんの香りに包まれていた。









涼介「 俺さ、分かってるんだ。

Aちゃん、自分じゃ気づいてないけど
伊野尾さんの話をする時、
いつも目が輝いてる。



伊野尾さんに敵わない事なんて…、
俺が一番、痛いくらいに分かってる。」





A「 山田くん… 」






涼介「 …ごめん、もう少しだけ
このままでいさせて…」






耳元で聞こえた山田くんの声は、
今まで聞いたことが無いくらい
悲しくて。切なくて。

声が震えてた。









.

＊ 26 ＊→←＊ 24 ＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す