距離感【黒尾鉄朗】 (ページ9)

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7話ページ9

｢ナイッサー!!｣

｢やってるねぇバレー部。今日からここで合宿だって？｣

｢らしいね。なんか宮城からも来るんだって。｣

｢宮城!?遠っ!!｣

｢ほらほら素振り行くよー!!｣

今日から4連休の間バレー部のためにバドミントン部は今日は外練、明日からは休みだ。

倉名も自身の不調を治すための丁度いい休みに安心している。

｢99.100!!よし、みんな水分補給と休憩しっかりね!!｣

｢はい!!｣

倉名はチームから離れたところで蹲る。

彼女は誰にも言っていないが肩を痛めているのだ。

黒尾の王様ゲームの翌日、肩から嫌な音が聞こえてきたのと共に激痛が走りだんだん和らいできているもののその中でも酷使してきた代償は彼女が1番覚悟している。

｢っ､､､調子乗って100回とかしちゃったから痛い…。｣

｢A？｣

｢けっ…研磨!?｣

肩の痛みに顔を歪めていた時にタイミング良く…いや悪くかもしれないがもう一人の幼馴染、孤爪が現れた。

孤爪の後ろには見たことのない真っ黒のジャージを着ている男子達。

｢…研磨、この人誰？｣

｢ん？｣

孤爪の隣にいるオレンジ色の髪の小さな男子。

よく背が低いのにバレーができるものだと倉名は感心していた。

リベロかな。

そんなことも考えていた彼女は決してバレーについて知らないことは無い。何故なら黒尾と同じように小学校、中学校とバレーのチームに入っていたから。

バレーの辛さ、楽しさは心に染み付いている。