25話 ページ34
「ってことがあったのは3年前。まぁそんな昔話もあったぐらいに考えてよ。」
自嘲気味に笑って持っていたペットボトルのドリンクを一口飲む倉名。
彼女が思っている以上に辺りは圧倒され、誰も口をきけなかった。
「そんな事が…」
「潔子ちゃん、そんな顔しないでよ。ちょっとした後悔なんて生きてれば何個かあるって!」
「ちょっとじゃねぇだろ。」
「…黒尾。」
静かにだが低く怒りを含んだ声に倉名は奥歯を噛み締める。
「バレーから離れようとしたのは誰だ!!
バレーを辞めちまったのは誰だ!!
そのくせ肩壊しても…バレーを嫌いにならなかったのは…お前だろ…?」
「…そうだよ!!黒尾達が引き止めてきたんだ…
何回もバレーから離れようとした!!
…けどなんだろ、本能なのかもね、やっぱりバレーが好き!」
お互い周りに人が居るのを気にせず、いや、気づかないほどお互いのことしか見えなくなっていたのか他の人に見せたことのないような表情でぶつかっていた。
「不器用だよなー」
「ありゃ俺らの事見えてねーべリア充がっ!!」
「スガァ…」
その場は何とも静かな雰囲気だったが及川、いや事の発端が何とかまとめることで解散することになった。
それぞれの帰路に着く。
倉名と黒尾は別々にだが歩いて帰るた言っていた。
「おいクソ川、お前なんであんな人の痛いとこ大人数の前で暴露したんだ。」
いつものような口ぶりだが岩泉は珍しく不思議に感じた。及川が女子を傷つけることを言うのは珍しくとも酷かった彼女や告白を断る時以外考えられなかったからだ。
「えー、だって岩ちゃん気付かなかったー?
ありゃ完璧に両片思い拗らせちゃってるでしょ。」
「あ、あれ付き合ってるかと思ってたわ俺。」
「だべ!?だからもどかしくって、久しぶりに及川さん悪役買って出たんだからくっつけっつーの。」
「やっぱりクソ野郎だな。」
「はぁ!?俺結構いいことしたと思ってるんだけど!?」
「よく分からねーけどそれはねー事だけはわかる。」
「ひどっ!!
ま、及川さんの推測があってれば、明日にはもう結果が出てることでしょう!!」
一方その頃その及川予報の二人は、
大きな進路変更をしていた。
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作者名:ミューゼス | 作成日時:2017年6月24日 22時