距離感【黒尾鉄朗】 (ページ1)

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プロローグページ1

｢黒尾!!｣

光の反射でいくらか明るい茶色に見える髪を揺らしながら黒尾に駆け寄っていく少女。

時間は朝、珍しく音駒高校男子バレー部は朝練がなく、黒尾の幼馴染である研磨は体調を崩し彼は1人で登校をしようとしているところだった。

｢おー倉名か。はよ。｣

｢おはよ。珍しいな、黒尾がこんな時間にここにいるなんて。｣

何も言わずに並んで登校する黒尾と倉名。

｢よー黒尾、倉名!!今日はお熱く登校だなー!!｣

｢｢熱くねーわ｣｣

学校近くになると隣を通り2人を冷やかしながら通るクラスメイトが増えてくる。

そう、2人は言わばただの腐れ縁の幼馴染み。決して付き合っている訳では無い。

しかしお互い顔を見合わせないからわかっていないだけで2人とも、顔こそ赤くなってはいないが器用にも耳だけ真っ赤になっている…所詮幼馴染みの両片思い中なのだ。