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「戦国伊賀島中の監督、伊賀島仙一校長は忍者の末裔と言われています。」
音無がパソコンの情報を見ながらそう告げた。円堂は訝しげな顔で「忍者？」と聞き返せば、それに頷きながら音無は話を続ける。
「秘伝の忍術を使って、選手を鍛えているという噂です。」
あまりにも結びつきにくいサッカーと忍。通常の生活を送っているならば、尚更繋がることもない。
「忍術で鍛えるって……」
「一体どんなサッカーをするんスかね……？」
妥当な疑問だった。
「それが、よく分からなくて……」
どうやら疑問が解決することは無いらしく、音無は申し訳ないという表情で俯いた。そんな音無を励ますように、円堂がいつも通り声を上げる。
「いいさ、どんなチームだってサッカーをすることには変わりない。今まで通り、真正面からぶつかっていこう！」
流石、円堂守といったところだろうか。その少年が笑顔で言葉を投げかけただけで、不安な顔をした者は途端に表情を変えた。
「“炎の風見鶏”。チャンスがあれば、ばっちり決めてくれよ！」
今度は大神と風丸の方へ呼びかけ、2人は頷く。大神は余裕の表情、風丸は自信溢れる表情で。
「やるぞ、大神。」
『言われなくとも。』
2人は合図のように拳を突合せた。
「皆、練習時間よ。」
木野が控え室に訪れると同時に、携帯の着信音が響く。携帯の持ち主は木野で、ポケットから緑色の携帯を取り出した。
「夏未さんからのメールだわ……」
雷門は今現在此処には居ない。実の父である総一郎が事故により昏睡状態、起きるまで傍に居ることにしたらしい。
なんて父親思いの娘だろう、最初に聞いた時はそんな感想が浮かんだ覚えがある……大神は自嘲的に笑った。
木野がメールを読上げ始める。
『(父さん、かぁ……)』
雷門からのメールの内容を上の空で聞きながら、大神は自身の父親を思い浮かべた。ろくな記憶がなく、直ぐに思考から追い出す。
「よォーし、絶対に勝つぞー！！」
円堂の気合い十分な雄叫びに、大神は現実へと引き戻された。雷門からのメール内容は読み終えたらしい。数回瞬きをした後、猫背になっていた背筋を伸ばした。
「……やるぞ。」
靴紐を結び、風丸が隣で小さく意気込んだのを目視する。
深呼吸をして大神も靴紐を強く結んで立ち上がった。
『……僕もやるんだ。』
さぁ、全国への1歩を踏み出す時だ───。
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鷹羽(プロフ) - コメントありがとうございます~!!!好きと仰っていただけて感激です^^ノロノロペースではありますが、更新させていただきます！ (2021年7月15日 18時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだない - コメント失礼しますm(_ _)m 主人公の設定とかめちゃくちゃ好きです！！鷹羽さんのペースで頑張ってください！更新待ってます！ (2021年7月14日 19時) (レス) id: 567784a46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年3月30日 1時
