【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ10)

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次の日、大神はいつも通りの学園生活を送った。通学し、授業を受けて昼食をとる。

1つ違うのは、授業後の午後は生徒会室にて生徒会長───雷門夏未が生徒会のメンバーを集め、そこに参加しているということ。

「1週間後、帝国学園が雷門サッカー部との試合のために来校します。」

その場の全員に衝撃が走る。

帝国学園といえば、学力が男女ともに全国1位。授業も一般のものとは違い、特殊な内容を取り入れたハイレベルの学校。

……そしてなにより、帝国学園のサッカー部はフットボールフロンティアにて、40年間連続優勝を果たしている強豪校。

『…………え、ぇえッえ円堂…………』

大神は誰にも聞こえない程度で、震えた声を上げる。

その場の誰よりも動揺していた。

「……くれぐれも、失礼の無い様にして下さい。連絡は以上よ、解散してもらって構わないわ。」

雷門の解散の合図で、生徒会メンバーはそれぞれに動き出す。渡された書類の整理、先日行った議論についての提案書を生徒会長に提出する等してその場を後にした。

大神も雷門に提案書を提出すると、重い足取りで帰路に就く。

『帝国学園か……』

口の中で転がすように言葉にすれば、ずきりと頭が痛んだ。少しばかりふらついたが、痛みはすぐに引く。

『日本一の学校が何故、雷門に……？』

客観的に見ても、雷門中サッカー部と試合をする帝国側のメリットは無い。

雷門中側からサッカー部の廃部を早めるように、帝国学園頼んだという可能性も考えた。
しかし、それでも帝国側にメリットはない、時間の無駄である。

『……考えても仕方が無い。行くぞ、大神A。』

早足で目当ての場所を目指す。目的地に目をやれば、遠くからでも見える大きなタイヤ。それと奮闘している1人の少年を見て、大神は軽やかにスキップをした。