【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ9)

今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:31,404 hit

8 ページ9

「俺、サッカー部に入る事にしたんだ。」

風丸が思い出したように話を切り出した。内容は意外なもので、サッカー部に助っ人参戦するらしい。

『おや、意外だな。円堂の無茶な特訓を見て、心配にでもなったかい？』

「円堂の特訓を見たからだけじゃないさ。」

風丸は空を見上げ、その目には空の星が小さく反射している。小さく笑って、ゆっくりとした動きで前を向いた。目がピタリと合う。

「……アイツの気持ちを言葉で聞いて、乗っかりたくなった。」

『泥舟だとしてもかい？』

「アイツの泥舟は、絶対に沈まない。

沈んだって、泳いで行けばいいだけさ。」

彼の後ろには月が登っている、背に当たる月光によって神々しく見えた。風が吹き、髪が靡くと間から月光がチラつく。

思わず目を細めた。

『……絶対沈まないのに、何故沈んだ時の対応が出てくるんだ。』

「はははッ！

でも俺は、きっとこの選択を後悔しないぜ。」

『ふッ……その言葉、覚えておこう。』

トンッと拳を風丸の胸に当てる。風丸も同じように、拳をこちらに突きだした。互いの鼓動を感じる、風丸の目に迷いは無い。

「俺のスピードを、円堂たちのために活かしてみせる。」

『……君が信じた選択と、君たちの明日に栄光を。』