【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ39)

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いつも通りの授業が終わり、大神は荷物をまとめて席を立つ。隣の席を見れば、東が唸りながら明日までの課題を行っていた。

『東、何が分からないんだい？』

「え？ああ、証明の問題本当に俺無理なんだよ……証明しろって書かれてる時点で、証明されてると思うんだけどさぁ？」

『黒ペンで記しつけると分かりにくいだろう。消しゴムで消えるし、赤えんぴつ貸すよ……合同条件把握しているかい？』

東は大神からの教えを端に小さくメモし、それを元に解いていく。6分程経ち、やっと止まっていたページが動き出した。

「おぉ！サンキュ、これなら全部出来そうだわ。部活頑張れよ〜！」

『それは良かった、今度なにか奢ってもらおうかな……あはは、冗談だよ。ありがとう、部活行ってくるね。』

鞄を肩にかけて席を離れると、教室の外で円堂と豪炎寺が大神を待っていた。

『ごめんね、僕待ちだったかい？』

「そんなに待ってない！早く行こうぜ！！今日こそ“イナズマ落とし”実践だ！」

大神と豪炎寺の背中を押し、円堂は廊下を進む。暫くすると、携帯の着信音が響いた。

『僕だ……病院？』

立ち止まり、大神が携帯を取り出す。

『待っていてくれたのにごめんね、先に行っていて。円堂には後で話すよ。』

「あ、ああ……」

大神は2人の傍の離れると、携帯を耳に当てて早足で歩いていった。豪炎寺は顔を顰めて円堂に問う。

「病院と言っていたが……あいつ、どこか悪いのか？」

豪炎寺の頭に過ったのは、大神が妹と共に事故にあった人物であるということ。その結果、何かしら後遺症が残ってしまっているのでは無いかと考えた。

「どこか……あれって悪いっているのか？うーん……まぁ、アイツなら大丈夫だ！」

「……それは信じていいのか？」

「何かあったらアイツから話してくれるって！

早く行こうぜ！！」

円堂はそれ以上何も言わず、豪炎寺の前を歩いた。

円堂は抜けていて、サッカー以外に無頓着な男であるが、何も考えられない程の馬鹿では無い。円堂の口から、大神の身に起こっている事実について語る訳にはいかなかった。