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尾刈斗中との練習試合が終わり、無事にFFの予選に参加することが可能になった雷門イレブンは、部室に集まり次の対戦校について議論していた。
そこへ、遅れて大神が顔を出す。
『生徒会が長引いて遅れた、ごめんね皆……』
「新、必殺技だー！！」
『え？』
「新しい必殺技を生み出すんだよ、空を制するんだ！！」
円堂は手を天に掲げ、得意げに言い張った。その背中を見て、大神はくつくつと笑う。
『気合い入っているね、円堂。その様子だと、次の対戦校については確認済みの様だ。』
「あ、大神！そうなんだ、次の相手……野生中との高さ勝負に勝つ！！」
『いいね、その意気だ。』
円堂は思い出したように新たな部員───土門飛鳥の腕を引いて、大神の前に押し出した。
「そうだ、大神！
今日からサッカー部に入ってくれる、土門だ！」
『……ああ、もしかして噂の転入生かい？
初めまして土門くん、大神Aです。』
「初めまして、ねぇ……」
大神の前に引きずり出された土門は、何かを確かめる様に大神をじっと見つめた。土門の様子に大神は首を傾げ、当の本人は何事も無かった様に自己紹介をする。
「俺、土門飛鳥！よろしく、大神サン！！」
『こちらこそ。
それで、その新必殺技だけれど……どうするんだい。』
「う〜ん、そうだなぁ。空、空……あ、そうだ！」
円堂は突然部室を飛び出し、皆もそれについて行く。円堂が向かった先にあったのは、学校の高所作業車。何故、工事業者が使う高所作業車が学校にあるのかは、考えるだけ無駄であろう。
「これ、使わせてもらえないかな？」
『……僕の顔を見て言ったってことは、許可を取って来いってことかな……確認してくるよ……』
「本当か？！サンキュ！！」
大神はなんとも言えない顔でその場を後にし、教師に掛け合う。大神の言葉巧みな訴えに教師や管理者は丸め込まれ、ついに許可証を持って戻ってきた。
『許可、取りました……管理の人が来るから、待っていてね……』
「流石生徒会、大神は話が上手い……
……って、大神の顔が死んでないか？」
「あんなの借りるんだ、そりゃ説得には骨が折れるだろ……」
実際、骨が折れた(物理的にでは無いので安心してほしい)。
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月19日 3時
