【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ19)

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『あ、よかった。ここにいた！』

部活時間の河川敷にて、雷門中サッカー部は練習をするため集まっていた。今は練習が中断され、新聞部───音無春奈によって尾刈斗中の噂について説明されている。

そこへ、珍しくジャージ姿の大神が現れた。

「えッ、大神？」

音無の周りに集まった面々は、不思議そうに大神に注目する。注目の的は階段を降りて、手を振った。

「どうしたんだよ、今日は生徒会の呼び出しが〜って、言ってたじゃないか。」

『早く終わらせたんだよ、君たちと会いたくてね。』

「……？」

誰も大神の意図が理解できず、首を傾げている。当の本人は、鞄からファイルを取り出し、またそのファイルから一枚の紙を取り出した。

「入部届、サッカー部希望、承認……って、大神お前！」

『今度こそ、本当に僕も混ぜてよ。控えは何人いても良いだろう？』

「ははッ……大歓迎だぜ、大神！！」

『どーも。それで、君たちは集まって何を話していたんだい？』

「あ、それがね……」

木野は尾刈斗中との練習試合が決定したことを、音無は対戦相手について先程まで説明した内容を手短に伝えた。

『へぇ、次の対戦相手が決まったんだ。呪いだとかは信じていないけれど、噂が立つくらいだからそれなりの何かはあるんだろうね。』

「……キャプテン、俺トイレ行ってくるッス……」

話された内容を自分に置き換えたらしく、壁山は震えて輪から外れた。壁山がその場から離れた後、影野は小さく｢呪いか……｣と呟いたことによって付近のメンバーが震え上がる。

円堂は噂だと言い張っているが、1年生はそうでもない様で不安げな顔をしていた。中には「やっぱり豪炎寺さん……」と呟く者も居て、染岡が怒鳴る。

「豪炎寺なんかに頼らなくても、俺がシュートを決めてやる！FWならここに居るぜ！！」

1年生たちは萎縮するが、染岡の意見は全く持ってその通りである。

「おう、その勢いだ！なんか、豪炎寺豪炎寺って……そりゃ染岡も怒るって。」

半田がそう言うが、1年生の暗い顔も、染岡の険しい顔も直らない。

「ま、元からいるメンバーで頑張るってのも、いいと思うけどね。」

松野空介がフォローを追加するも、やはり1年生の不安は拭えない。帝国戦での豪炎寺の活躍を持ち上げ、結局は円堂に諭された。