【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ18)

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「たった今、帝国学園から試合放棄の申し出があり……ゲームはここで終了！！」

20-1、スコアボードを見れば明らかに雷門イレブンが敗れている。それでも、帝国側の試合放棄は雷門イレブンの勝利を意味していた。

「先輩、やりましたね！！……先輩？」

『…………』

雷門イレブンの勝利、その結果に大神は放心していた。後輩の呼びかけに反応せず、背中を叩かれてやっと正気に戻った。

『え？あ、あぁ……勝ちだ、勝ったんだね……』

「……あはは、先輩。もう試合は終わりましたし、帝国学園も退場しています。

ここは俺に任せて、行ってください。」

『……僕が先輩なのに、後輩に気を遣わせてしまったかな。ありがとう、行ってくる。』

フィールド内の雷門イレブンの元へ駆け足で近寄った。雷門イレブンは大神に気がつけば、満面の笑みで手を振る。その中に、今回のMVPである豪炎寺の姿はない。

『皆お疲れ様、おめでとう！……ごめんね。』

「ありが……え、なんで謝るんだよ？」

『……僕は、ただ見ていることだけしか出来なかったんだ。』

大神は苦笑し、肩を竦める。それを見た1年生は、どう言葉掛けをしたら良いか分からずに顔を見合わせている。

大神の背中を風丸が叩いた。

「何言ってんだ、見てる側なのにお前だけは一緒に戦ってたぞ。」

「大神の気合い入れ、元気出たぞ。ありがとな！」

「馬ァー鹿、ンな顔すんなよ。俺たち全員、お前のデカい声に励まされたっての。」

風丸、半田、染岡は、俯く大神を囲んで乱暴に頭を撫で回す。1年も安堵の表情を見せて、大神の傍に駆け寄った。

大神の暗い顔は、あっという間に花が咲く。

「大神、本当にありがとな！」

『円堂……』

大神は昂った気持ちを抑えきれず、円堂と風丸の首元に腕を回して引き寄せる。大神は珍しくはしゃいでいた。

『〜〜〜ッ最高だ、君たち！

君たちの決意が、諦めないという想いが、試合の流れを変えたんだ！！

心からの祝福を、おめでとう！！！』

「へへッ、おう！サンキュ！！」

「大神……はは、ッたく……！！」

今度は、曇り無い気持ちで雷門イレブンを祝福した。

この場の多くの人間が知らず、幼馴染の彼らでさえ忘れるが、大神Aの精神は小学生のままなのだ。そう考えれば、反応は年相応と言えるかもしれない。