【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ21)

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『君、休日に制服着て何しているんだい？』

「いや、その……間違えて……」

休日、大神は制服姿の円堂と鉢合わせた。鞄もしっかり肩に掛かっており、今日が登校日なのではという錯覚を引き起こす。

『……大方、そんなことだろうとは思ったよ。全く、君は忙しないなぁ。』

「あはは……あ、大神は何してたんだ？」

『好きな作家の本が今日発売でね、自分の足で買いに来たんだ。』

大神は持っているビニール袋から本を取り出し、円堂にあらすじ部分を見せた。円堂は顔を顰めて小さく「わかんねぇ……」と呟く。

『あはは、だろうね。君は文学よりも、動きが目に見える漫画の方が好きだろうさ。』

駄べりながら足を進めると、円堂がはたと足を止めた。円堂の視線を追いかければ、車道を挟んだ向こう側の歩道を豪炎寺が1人で歩いている。

「豪炎寺……？」

『本当だ。彼、家がこっちなのかな……

あ、おい円堂……』

「ちょっと行ってくる！」

円堂は突然走り出し、豪炎寺の方へと向かった。信号に捕まり、足踏みをして信号を待つ。大神も追いついて、円堂の隣で信号が変わるのを待った。

『円堂、豪炎寺くんは無理に誘わないんじゃなかったのかい？』

「誘うんじゃなくて、その……気になるんだよ。」

『……気にすることかい？』

そのまま豪炎寺の後をつければ、“稲妻総合病院”と書かれた病院に入って行った。円堂は少しばかり不安な顔をした後、足を踏み出した。

「……あれ、大神は行かないのか？」

『……いや、行くよ。』

大神は胸騒ぎを覚えるが、その不安を追い払うように頭を振った。