鬼滅の魔法騎士第禄章 (ページ30)

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自分は誰だ…？！ページ30

3人は迎撃態勢を取り、聖獣を睨む。

すると、銀狼の聖獣は躰を光らせると、

ウオォーン…！

空を仰いで、声高く咆哮する。

すると、その躰から、眩い魔力の光る柱が天を突き、

ガラガラ…ビシャーンッ！！

3人の足元目掛け、雷が突き立った。

煉獄「むっ！」

不死川「やっぱり、さっきのは彼奴か！」

炭治郎「危ない！」

間一髪回避する。

3人を睨みながら、唸りを上げる銀狼の聖獣…

煉獄「おかしいぞ。彼奴は聖獣の筈だ。普通ならば人間に襲い掛かる筈が無い！」

不死川「だがよ…あの獣、俺達を殺す気だぞ」

その時、突然にある声が響いた。

”異世界から来た若者達よ、これ以上貴様達を進ませる訳にはいかない。此処が貴様等の墓場となるのだ”

炭治郎「何ですか？！今頭の中に声が…」

煉獄「どうやら、あの獣が出している声のようだな」

しかし、不死川が、いち早く何かに気付く。

不死川「待て、この声…聞き覚えがある！」

ー離れた大地ー

岩の上に座り、厚い黒雲の空を見上げているフェリオ。

フェリオ「あの美しかったセフィーロがこんなに…杏寿郎、炭治郎…実弥、無事に旅を続けているんだろうか」

手の中に握る、オーブに眼を落とし…

寂しげに瞼を閉じると、呟く。

フェリオ「エメロード姫…貴方が異世界から召喚した3人を…どうかお護り下さい」

その時、フェリオの脳裏に…エメロード城に興行に行き、オーブを手にした為に盗みを働いた疑いを掛けられ、エメロード姫の前に引き出された記憶が過った。

(エメロード姫「其れは私が、この方に差し上げた物。盗まれた物ではありません」)

此処迄は、煉獄達にも話たのだが…

フェリオは何故か、この直後、エメロード姫が自分に向けた表情と言葉を…思い出した。

(エメロード姫「フェリオ…！」)

こうフェリオを見詰めながら呟いたのだ。

哀しげな、寂しげな表情を浮かべて。

フェリオはこの時、自分の名前を兵士は勿論、エメロード姫にも一言も明かしていない。

だから、フェリオはエメロード姫に名を呼ばれた時、愕いて姫を見たのだ。

この時が、姫との初めての謁見だったにも関わらず、何故自分を知っているかのような姿勢を示したのか？

更に、この記憶の次に、自分に良く似た緑の髪と金の瞳の幼い少年が見えたのだ。

年の頃は5つか6つ。まるで、自分の昔の姿のようだ。

フェリオ「何だ、今のは？！俺はあの時、城の中を勝手に歩き回って…このオーブを姫に貰った」

オーブをじっと凝視する。